コンドロイチン硫酸について


多様な薬に使われる“軟骨”由来の活性物質

動物の細胞、線維、組織、器官の間を結びつけて、それらの支持、保護、栄養補給の役目をする組織を結合組織といい、その主要成分は「ムコ多糖体」と呼ばれる粘性物質(ネバネバ成分)であるが、コンドロイチン硫酸はその重要な構成成分の一つで、骨の形成、傷の治癒、感染防止(免疫体の産生)などの生理作用を持つ物質である。

19世紀半ばに動物の軟骨の研究から発見された物質に「コンドロイチン」(“軟骨”という意味のギリシャ語)という名が与えられあと、ようやく1946年になってその化学構造が決定されたが、その薬理作用については早くから注目が集まり、すでに1936年には偏頭痛、抗潰瘍の薬剤として臨床実験が行われたという古い歴史を持っている。

コンドロイチン硫酸は、体内ではタンパク質と結びついた「コンドロムコ蛋白」という形で、主に皮膚、血管壁、軟骨、靭帯、関節、眼球、角膜、粘液、各臓器などに分布して、後述のようなさまざまな働きをする。しかし、若い成長期には体内でも生合性されるのであるが、加齢とともに産生されなくなり、欠乏症を招いたり、例えば皮膚の保水性や潤滑性が失われて老人性の皺やカサカサ肌の原因となったりするので、どうしても外部から補給しなくてはならないのである。

コンドロイチン硫酸の体内における主な生理作用としては、(1)線維(コラーゲン、エスラチン)や細胞群とともに結合組織を構成し、体細胞が正常に生存できる基盤となる。(2)組織に保水性、潤滑性、弾力性を与え、栄養分の消化吸収・運搬・新陳代謝を促進する。

(3)カルシウムの代謝に深くかんよして、骨の成長、骨折の回復、骨粗鬆症の防止をする。

(4)傷ついた皮膚や組織の損傷を補修する。(5)血液中のコレステロールや過酸化脂質を除去し(脂血清澄作用)、動脈硬化や高血圧を予防し血液が凝固して血栓ができるのを防ぐ。

(6)関節軟骨の成分の27~43%をも占めて、関節・靭帯・腱の弾性、円滑性を保つ。

(7)皮膚のみずみずしさ、若々しさを向上させる。(8)目の角膜や水晶体の透明性や弾力性を保持する。(9)細胞の増殖を促進し、精子を増殖する(造精作用)、などが挙げられ、こうした作用が実証されていく過程で、コンドロイチン硫酸は動脈硬化、解毒、代謝異常、腎疾患、難聴、炎症などへの薬理効果が次々に明らかにされ、わが国でもすでに腎炎、ネフローゼ、リューマチ、神経痛、腰痛、五十肩、肩凝り、夜尿症、眼疾患、脱毛症などに適応症とする医薬品に用いられている。

一般に食物としては植物性、動物性を問わずネバネバしたもの、例えば納豆、山芋、オクラ、ナメコ、海草、フカひれ、ツバメの巣、スッポンなどに若干含まれており、植物性よりも動物性の方が体内で効率は高いのであるが、いずれにせよ含有量がそれほど多いわけではない。そこでこの優れた機能性を誰もが日常的に享受して、老化予防や健康の維持回復を図りやすくした健康食品も各種開発されており、原料にはサメの軟骨、牛の軟骨が用いられている。                  

(健康・栄養食品事典より抜粋)

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