クロレラは、生命誕生から間もない約30億年前から地球上に棲息している淡水性の緑藻である。大きさは2~10μほどで人間の赤血球より小さい存在だが、驚異的な増殖能力と生命力を持っている。
クロレラが発見されたのは1890年オランダの学者バイリンクによってである。クロレラが食糧源としての研究は、第一次大戦中のドイツで始まり、以来第二次大戦中へと引き継がれるが、いずれも敗戦によって研究がストップする。この間にノーベル医学賞受賞者でガン研究の権威であるオット・ワ―ルブルグが初めて生物学研究の対象の一つとしたことがきっかけとなって、第二次大戦後、アメリカとドイツを中心にイギリス、フランス、イスラエル、インドなど世界の学者が競ってクロレラの研究に取り組むようになった。
日本でも古くから注目を集め、1951年に米国カーネギー研究所の勧めを受けた東大の田宮博が徳川生物研究所で着手。1959年には日本クロレラ研究所が設立され、クロレラの大量培養➝製品開発➝市販へと発展してきた。
当初は、NASA(米国航空宇宙局)が宇宙開発に利用する計画を進めていたこともあって、“宇宙食”ともいわれていたが、現在は良質の蛋白質を含む健康食品として広く知られるようになっている。その成分は、蛋白質・炭水化物・葉緑素・ミネラル類・各種ビタミン・パントテン酸・葉酸・核酸など、豊富な栄養を含んでいる。
クロレラは太陽のエネルギーを受けて光合成で増殖し、増殖➝細胞分裂の過程で葉緑体も分裂し、クロレラエキスが多量に生じる。このクロレラ独自の成分であるクロレラエキスこそ人間の健康を維持し、病気の治療に役立つ物質とされている。
日本での小学生への投与試験(長崎大学医学部)では、身長、握力、背筋力の発達に効果があることを認めている。
さらに、愛知教育大学の福井四郎先生がクロレラ研究の過程で解明した効用を列記すると
⑴クロレラは酸性体質を弱アルカリ性に変える唯一の物質である。酸性体質は成人病の元凶であり、弱アルカリ性体質は疲れにくく、病気にかかりにくい。次に細胞の働きを活発にする。クロレラエキスにより細胞の新陳代謝が盛んになり、体全体が若々しくなり、びょうきの予防や治療を促進する。
⑵細菌やウイルスに対する抵抗力が強まり、伝染性の病気の予防に効果がある。
⑶クロレラエキスの成分の一つ、S-ヌクレオチドペプチドが赤血球の回復に役立つので、解毒効果がある。
⑷造血作用を活発化する作用があり、貧血などに有効なほか、コレステロール値も下げる。
⑸肝臓、腎臓の働きをよくする。
⑹蛋白質の合成を盛んにする。スタミナ増強、疲労回復などに効果を発揮する。
⑺脂肪代謝を正常化し、肥満の予防にもなる。
また、重金属や合成洗剤中毒に対する解毒作用が実験で判明したほか、胃潰瘍、糖尿病、心臓病、脳卒中、生理不順など対する効果が報告されており、体質を強化する健康食品、保健食品として利用価値は高く、日本の健食業界では常にトップの販売力を維持している健康食品である。 「健康・栄養食品事典より抜粋」