ショック!
今朝もどんよりとした曇り空で、とても寒いです。この先真冬になるとどれだけ寒いのか、考えただけでもゾッとします。
今日は朝からショックなニュースが飛び込んできました。63歳、早いです。もっともっと聞きたかったです。乱入見聞録より、「ゴールデンカップス ワンモアタイム」の感想を再録します。
ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム パーフェクト・エディション

¥6,365
Amazon.co.jp
2004年12月1日 「ザー・ゴールデン・カップス ワンモアタイム」
2004年晩秋、見たいと思う映画はこれしかなかった。今年は春の「タカダワタル的」(未見)も見たいと思う映画の1本だったが、結局この2本だけしかアンテナに引っかかってこなかった。勿論、その他にもたくさんの映画が公開されているのだが、そのほとんどが、見る前にある程度の予測がついてしまうような映画ばかりだったような感じがする。公開後の評判についても営業的にブレイクした作品はあったのかも知れないが、内容的にブレイクしたという評判の作品は少なかったように思える。要するに、ヒート・アップしていないのだ。
ザ・ゴールデン・カップスの映画が作られるという事を知ったのは去年の事である。TVの芸能情報や、NHK「想い出のメロディー」などで少しだけライブの様子を見たり、聞いたりした。その中の括りとしては、ほとんどが「懐かしの……」という扱い方であったが、その映像からはそのような雰囲気は少しも感じられなかった。勿論、メンバーのほとんどが現役という事もあるのだろう。しかし、30余年の時の流れを経て、今、何故ザ・ゴールデン・カップスなのか?。当然の事ながら、この30余年は僕らの30余年でもある。
その日はサービスデーで1000円で映画を見る事ができた。午後4時の回。驚いた事に60年代丸出しファッションの若者からサラリーマン。それに、元ゴーゴーガルとか、リアル・タイムにカップスを聞いていたような年輩の方々等、幅広い年齢層で劇場は6割程の入り。ここ数年、劇場に足を運んでも、これだけ幅広い年齢層を集めている映画は知らない。勿論、音楽ファンが多いのだろうが、こんなに幅広い観客層が集まるとは、最近の音楽でも映画でも一寸考えにくい事である。恐らく、入場者はザ・ゴールデン・カップスが活躍していたあの時代の何とも言えぬ何かを敏感に感じ取っている人たちなのだろう。
映画は、A面とB面の2部構成になっている。簡単に紹介すると、A面はザ・ゴールデン・カップスの結成から解散までの流れとその時代をCHIBO、李世福、陳信輝など総勢44名のインタビューで構成。B面は30数年ぶりの復活ライブセッションという事になる。その構成はオーソドックスながら成功しているのではないだろうか。A面の、過去をデフォルメするわけでもなく、ただ淡々と流れるインタビュー。しかし、原一男「ゆきゆきて神軍」を出すまでもなく44名のキャラクターは濃い。その発言内容は確かに60年代のあの時代なのだが、彼らの映像は正に現在。「それが人生よ」、「それが歴史よ」と言うかのごとく、60年代と現在が深く融合してゆく瞬間である。それだけで、数年前の「KT」「突入せよ」「光の雨」のわざとらしいあの時代表現を簡単に越えてしまっている。それは、よくある形だけの年代ブームでは取り上げられない部分なのかも知れない。恐らく現在の世相としては、それはディープ過ぎるのではないだろうか。しかし、そこの部分にこそ本当のその時代の魅力や真実があるのではないのか?。A面の最後にCHIBOが言う。「ロックンロールはまだまだ終わらないよ」。勿論、60年代の想い出も、現在もこれで終わりではない。そして、この先もずっと終わらない。良い時も、悪い時も、元気な時も、くたびれた時も、若い時も、歳を取ってしまっても……。
あの時代、あなたは何をしていましたか?。始めてザ・ゴールデン・カップスと出会った時、あなたは何をしていましたか?。そして現在、あなたは何をしていますか?。疲れてはいませんか?。元気ですか?。
そしてB面のライブ・セッション。それは不思議なライブ・セッションだった。音楽的にはそんなに詳しくないので、詳細はわからないが、ザ・ゴールデン・カップス自体、何も新しい事はしていないと思うのだ。当時のステージは見ていないので何とも言えないのだが、多分、昔のようににただ、淡々とステージをこなしていっただけのように思われる。しかし、この新鮮な感じは一体何なんだろう。画面を見ていて、涙が止まらなかった。この30年余りを、「そんな人生サ」と言ってしまってもいいのかも知れないが、映画のA面とB面、60年代と現在、そして自分の30余年が何の違和感もなく、すんなりと融合してしまったのかも知れない。多分、それはカップスに限った事ではないのかもしれないが、最近では数少ない体験であった。それは恐らく、ザ・ゴールデン・カップスの演奏も正しく現在であったからなのであろう。ザ・ゴールデンカップス。カッコイイのではない。凄いのだ。
それにしても、「フェンスの向こうはアメリカ……」。ニクソン、ヒッピー、ドラッグ、ピース、ベトナム戦争等々。フェンスの向こうは全てカッコイイと思っていた。あれから30余年。本牧のフェンスは無くなったらしいが、あちらこちらにまだまだフェンスはある。何か変じゃないか?。
その辺が多分、これからのキー・ポイントじゃないかと、最近は思っている。ロックが終わるのが早いのか、フェンスが無くなるのが早いのか?。この先、またザ・ゴールデン・カップスのセッションがあるとすると、果たしてどんなステージを見せてくれるのだろうか?。その時、フェンスがあるのか、無いのか、それとも別のフェンスがあるのか?・・・。映画ファンのみならず、必見のムービーである。