私は本音を人に言えない性格です。
本音を言うと相手の気分が悪くなるかもしれない、嫌われてしまうかもしれない、そうすると周りの人間が皆私を悪く言うようになるかもしれない、と思うからです。
相手が一方的に悪い時もそう。
昔、蕎麦屋さんで熱々のかけ蕎麦を店員さんにかけられて服をダメにされてしまった時も、「気にしないでください」と笑って言いました。
典型的な良い子ちゃんでいたいタイプです。
何故こんな性格になってしまったかと言うと、理由があります。
子供の頃、私には自称親友がいました。
私は親友と思っていないのに相手はそう言っている、というやつです。
彼女は毎日学校が終わると私の家に入り浸りました。
今時の言葉で言うなら、『家を無料の保育所(というより学童の方が正しいかも?)にされている』状態だったからです。
彼女の母の仕事が終わるまで我が家で彼女を預かっていました。
私の母は親切や助け合いだと思ってやっていたのですが、しかし私にとっては彼女と一緒の時間は地獄でした。
彼女は我儘で癇癪が酷い人でした。
クラスメイトの悪口が大好きで、その悪口に同意しないと怒って「帰る!」と言い出すのです。
同意しなければキレる、また同意が一拍でも遅れたら「今、間が空いたけど本当にそう思ってるの?」とキレる。
更に同意の仕方も「そうだね〜」ではダメなのです。「そうそう、私もそう思う」まで言わなければ彼女は癇癪を起こすのです。
そんな子は放っておけばいい、と言う人もいるかもしれません。
私も帰りたければ帰ってもらいたいのが本音でした。
しかしそう出来なかったのは、私の母と彼女の母が同じ職場の同僚だったからです。
彼女の母は彼女に溺愛していて、彼女の言うことは全く疑わない。
母同士の関係が悪くなるのは目に見えていました。
私はそれを避けたかったのだと思います。
また、彼女は口が上手く、クラスのボス的な女子に取り入るのが上手い人でした。
私の対応が気に入らないと「この間あいつ(私)◯◯ちゃんのことブサイクって思ってるって言ってたよ〜」とボス的な女子に言うのです。
私に同意させた話を、あたかも私が言い出したかのように作り変えて。
私は、自分と母の立場を守るために、自称親友である彼女のご機嫌取りをするしかありませんでした。