吉原恋刀~終幕~ | 大次郎 侍心 SAMURAI-HEART

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劇団武士道プロデュース公演

『吉原恋刀』

全日程終了

 

 

緊急事態宣言再発令の下で始まった稽古
万が一中止になることを想定の上
なおかつお客様にお見せすることを楽しみに
稽古をしてまいりました
無事に全日程を終えることができ
無事にお客様にお見せすることができて
とても幸せな気持ちでいっぱいです
このような状況でも足をお運びいただいた皆様
応援してくださった皆様
誠にありがとうございました!!



お話は
遊郭の最高位、太夫の中に刀をその手に睦む遊女がいた。
--腹上太夫。そう揶揄されるその白露太夫に
殺されるかもしれぬが
それでもとその美しさ故に一夜の相手を望む男が多くいた。
たとえ死のうとも。
その男たちに白露太夫は相手する前に一言だけ。
問いかける。
「--あちきの床はとこしえの夢。
明日の朝日を祈るがよろしんし--」

そんな噂か都市伝説がどう転じたかはわからないが
とある刀鍛冶が旅の途中
「吉原遊郭にとんでもない業物(刀)を持つ女がいる」
という話しを聞きつけ
吉原界隈までやってきたところから始まります。

 


今回私が演じた虎こと三池虎宗は

田舎から出てきた世間知らずの刀鍛冶

刀のことしか頭にない刀オタク

たぶん女性関係もないのだろうと思います

本名を明かさず虎で通していましたが

物語の終盤では平安時代末期から世に出た

三池流刀工の血を引くものであることが他人から語られる

 

主人公白露太夫の相手役であり

物語が虎を中心に進んでいくということで

凄くやりがいのある役柄でした

また、白露太夫と共に闘わないキャラがメインになるのは

劇団武士道史上初の試み

会話の中での登場人物の人間性、関係性の表現は

脚本の見神一さんが絶妙に描いてくれました

虎の純真さはセリフや行動で描かれていたので

私としては田舎者ということを大きく意識しました

初めて観るもの、聞くものにどういう反応をするのか

元々私は地方出身なので上京した時はこうだったなというのを

思い出しながら役作りをしました(何十年前??)

 


 

刀鍛冶として足りないもの

それを探しに旅に出て辿り着いた吉原

金も知識も持たない田舎者が

途中で出会った本多正之やお夕らに助けられながら

目的の業物(刀)を持つ女・白露太夫のところまで導かれた

腹上太夫という異名から刀の扱いを勘違いしていると

激怒した虎であったが

刀見たさに太夫の馴染みになると決意する

 

2度目の逢瀬は月夜の滝にて

偶然の再会、そして刀にしか美を観ていなかった虎が

初めて美しいと思えた人・白露

虎の心が白露に向いていく

白露も本当の名前は白(はく)だと打ち明け

虎の純朴な人となりに惹かれていく

 

3度目の逢瀬も同じ滝

虎は白の為に匕首(あいくち)を仕立てる

生まれて初めて思い人の為に打った刃

白はそれと引き換えに、自分の刀を虎に預ける

その刀は三池流の開祖、三池典太光世が打った

天下五剣のひとつ典太であった

ひとつの刀が紡いだ縁

それは先祖からの贈り物だった

 

 

幸せも束の間

虎と白の仲をよく思わないものいた

白露はお店の稼ぎ頭

それが奪われては商売あがったり

加島屋の主・お選の手引きによって

滝に呼び寄せられた虎を白露を慕う旭が付き落としてしまう

虎はこれにより、目に見えるものが

醜いものに見えてしまうという奇怪な症状に陥り

刀も打てず、白を目にできなくなった自分に絶望する

 

白は虎を滝へ連れていき

絶望する虎に

典太は捨てられた男から手間賃として授かったものであること

それらに復讐するために腹上太夫になったと打ち明ける

今は虎がどうなろうと傍にいさせてほしいと

虎は典太の使い方に文句を言いたかったが

白は自分の思いと信念で刀を振っていたことがわかり

惚れたんだと答える

まだ幸せになれるんだと立ち直ったところに

榊原平十郎が現れる

 

平十郎は柳生一門の食客

自分にふさわしい刀を追い求めて

一度虎に刀を打ってほしいと頼んでいたが虎は拒否していた

だが、その後のめぐり合わせで虎が過去打った刀を手にしていた

その刀で虎を斬りつける

平十郎は自分にふさわしい刀を手に入れたことで気が狂い

同門たちを斬り捨てていた

白が典太を渡すことでその場を逃れるが虎は重症

白が加島屋まで連れて帰ると虎はほほえみながら息絶える

虎の目に白は美しいままに映っていたのだと

 

 

平十郎は吉原に火をつけ次々と人々を斬り捨てていく

白は虎の匕首を手に平十郎に一矢報いようとするも

あえなく斬られてしまう

が鎮火に駆け付けた本多正之、柳生茜ら

最後は柳生十兵衛の手で平十郎を止める

 

白は虎の亡骸までたどり着き、言葉を残してこの世を去る

「世はすべてこともなし。

人の営みもまた変わらざることなし。

虚ろうこの浮世は儚げに…

悲しみに満ち満ちてもそれでも人はまた明日を迎える。

虎…また…明日…会いましょう…。

私たちの月は…もう…満ちたから…」
 

虎目線のあらすじ

本編観ないと繋がらないですが

おそまつながらざっとこんな感じです

 

 

白「虎…また…明日…会いましょう」

これを聴いて毎回、死にながら涙ぐんでましたww

 

虎よ、男は思い人を護れなきゃダメだぞぉぉぉ!!!!

 

 

デハ!!