ありのままの姿見せるのよ♪
ありのままの自分になるのよ♪
っていうのは、アナと雪の女王ですよね。
僕も見に行きましたけど、なかなか面白かったです。
主題歌もMay.Jさんが歌い、作中では松たか子さんが歌うことで話題になった「Let it go」。
覚えやすい歌詞に、耳に残る爽やかなメロディーも気持ちいいですよね。
「Let it go」には、ありのまま、なんて意味はそもそもなくって、
「手放す」「忘れる」という意味なんです。
これを雪の女王のしがらみとかけ合わせ、
自分を抑え込んでいるものを解き放つ、自分らしく生きていく、
そういう意味を込めて、「ありのままの」っていう訳をつけたんだと思います。
ただ、実際のところ「ありのまま」っていうのはあいまいな言い方だと思うんです。
素朴にいえば、「ありのまま」ってなんだよ?っていう感じ。
僕自身、「ありのまま」って感覚がよくわからないんです。
「ありのままのあなたを愛してくれる人が必ずいるから」って恋愛指南もあれば、
「ありのままの想いを伝えればいい」なんて就職面接もあったりします。
しかしその一方で、「ホンネとタテマエ」なんて言葉も日本にはあります。
言い換えれば、「アリノママとタテマエ」。
どっちなんだよと。
ただ、僕がわからないのは、ホンネとタテマエ的な話ではなく、
また別の意味でよくわからないのです。
そもそも「ありのまま」なんてないんですよ。
人って一人では生きられない生き物ですよね。
人は、ほかの人と関係を持つことではじめて自分の存在意義が生まれる生き物です。
親がいるから自分は子供。
友達がいるから自分は友達。
彼女がいるから自分は彼氏。
子供がいるから自分は親。
生徒がいるから自分は先生。
患者さんがいるから自分は歯科医師。
……
こんな感じです。わかりますよね。
親がいなければ、自分は子供になれないし、
子供や彼女がいなければ、自分は親や彼氏になれないし、
生徒や患者さんがいなければ、先生や歯科医師にはなれないんです。
つまり、人っていうのは、
相手が存在して初めて存在することができる、ともいえます。
言い換えると、僕らは基本的に単体では存在しえないんです。
一人だったらいてもいなくても一緒。
名前もいらない、役職もいらない、仕事もしなくていい、…
そんな一人では意味のない存在に、「ありのまま」なんてないんじゃないかなーと思うんです。
しかしこれでは何の話にもならない。
ここで、ありのまま=自分らしさと考えるのなら、
自分っていうのは、関係性によって規定される=他人からの見方で決まる、でしたから、
自分らしさは、他人との関係性の中にある、といってもいいでしょう。
であれば、他人からどう見られているか、
自分は他人にとってどういう存在なのか、
それを考えることが、
ありのままの自分を「つくる」ということだと思うんですね。
ポイントは、
ありのままの自分は「作るもの」だということです。
決して生まれ持ったものではない、ということです。
もちろん生まれ持った才能や能力の違いはあるでしょう。
それでも、その能力を使って自分をどう見せるか考えないことには、
その才能や能力はうずもれてしまいます。
何もしないで「ありのまま」もくそもあったもんじゃない。
しっかり、考えないといけない。磨かないといけない。
そして作り上げないといけないんです。
「ありのまま」なんていうとふわふわした感じに聞こえますが、
僕からしたら、地に足着いたかなり泥臭い考え方だと思うんですね。
人ができることって限られてると思います。
それは、
知ること、考えること、表現すること。
この3つ。
これを繰り返すことで、
一つずつできることが増えていく。
できることが増えていくということは、周りの人に与えられるものが増えていく、
与えられるものが増えていくということは、相手の自分への見方も変わっていく、
つまりは、自分の存在意義が変化していく、ということなんです。
これを応用すれば、
どう見られたいかは、ある程度自分で決めることができる、ということでもあるんですね。
落ち着いた人に見られたければ、そう振る舞えばいいし、
知的に見られたければ、そうやって振る舞えばいい。
優しい人に見られたければ、誰かに親切にすればいいし、
できる人に見られたければ、技術を磨けばいい。
「こうありたい自分」っていうのは、「こう見られたい自分」ってことですから、
そこから逆算して行動すればいいわけです。
「ありのままの自分」は作り上げるもの。
そして「ありのままの自分」はある程度自分でコントロールできるもの。
そう考えると、いろんなことができそうですよね。
なんか楽しくなってきませんか??
少なくとも、ありのままの自分を探す、とかなんとか言いながら何もしないより、
できることを一つ一つ増やしていく方が、自分の価値も高まっていき、
結果として「ありのままの自分」が作り上げれられる。
そう思うんですね。