「これがきみの望んだ世界」
声が聞こえた。どうやら眠っていたらしい。
ゆっくりと眼を開けると、暗闇の中に一つだけ、
映像が浮かび上がっていた。
慌てて声のした方を見る。
すごく小さいポケモン。でも、暗闇のせいでなにかは分からない。
「その画面を見てごらん。そこはさっきまで君がいた場所。」
今度は画面に目を向ける。映っているのは、ボロボロになった仲間たち。
「×××!×××!×××!×××!」
名前は覚えているのに、言葉にならない。声に出せない。
よく目をこらすと、奥の方に黒くなった眼や、鼻、口から血を流し、敵であろうポケモンたちに攻撃していた。
「これが・・・俺なのか?」
信じられず呟いた。
またあいつの声が聞こえた。
「そう。それが君。敵を倒す強さを望んだばっかりに、ついに仲間まで傷つけた、化け物さ。」
信じたくない。でも、どこかで何かが訴えかけていた。あいつに任せれば、全て上手くいく。と。
「まぁどうしようが勝手さ。仲間が滅ぼうが、自分が死のうが。それが君の選んだことだから。
・・・・出口は開けておくよ。最善の道を選べるよう、頑張りな。」
一人になった暗闇に、一筋の光が見えた。
うん。そうしよう。自分が死のうが構わない。
でも、仲間は守る。彼とのやくそくも、果たさなきゃ。
俺は、光に向かって走り出した。

















「託したよ。












Dの意志を継ぐ者よ。」




続く





「答えは出たかい?」
そう言ってこいつは、
意味のわからない場所で、
意味のわからない質問をしてきた。
「出てない。」
俺は当たり前のように返した。
そうだ。答えなんてないんだ。この世界には。
「はい!これで42回目!いい加減答えよう!」
何故こいつは、この暗闇の中
ここまで明るくいられるのか。
興味もないし、見当もつかない。
そもそもここは僕の場所。
どうしてこいつがここに居られるのだろう。
そんな小さな事にイラついて、声を荒げた。
「でるわけないだろ!?僕はここにもういない!
僕は・・・死んだんだよ。」
そう。この心はあいつに食われてしまった。
涙を流しているかさえ、分からない。
「なんだ。もう出てるじゃん。君の答え。」
「なっ・・・⁉︎」
「君は消えたくない。みんなともっと一緒にいたい。そうだろう?さあ、行って来いよ。君の使命はまだおわっていない。」
言い残し、そいつは霧のように消えていった。
「・・・・・」
懐かしい名前を一つずつしっかりと呼んでいく。
涙を流していることに気付いた。
長い間忘れていた記憶が、全身を駆け巡る。
俺はもう一度飛び立てる!あいつらと共に!
羽を羽ばたかせ、青く染まった空へと飛び立った。
















「頼んだよ。








Dの意志を継ぐ者よ。」


続く



後書き
やり直します!!
終わります!!

ポケモンLOST

    第5話〝家族″


「いやー・・・うん。酷いねこれ。」隣でミヅキがつぶやく。カイキさん達の戦闘が終わったコロシアムは、酷いありさまになっていた観客席の半分以上が削り取られ、スタジアムもまた、ところどころに大穴があいていた。そこらじゅうで修理をしているポケモン達がせっせとうごいている。

「にしても凄かったねー。カイキさん達のバトル。」あのバトルは結局、ルネさんのよくわからない能力で止められ、決着はつかないままだった。

「ここにいても邪魔になるだけだし、上にいこっか。」

「ん。そうだな。」まだ完全に傷の癒えていないおれは、ミヅキに支えてもらいながら、上に上がって行った。

       ・・・・・・・・・・・・・

さて、この事件の主犯であるカイキさんとシリュウさんは、話があると言ったまま団長室に行ってしまった。戻ってくる気配もなく、俺たちは椅子に座って待っていた。

10分ほどしてシリュウさんが出てきた。そこにルネさんが駆け寄り、何かを話している。小声で聞き取れなかったが、そこまで重要ではないと思った矢先、いきなりシリュウさんがこちらに顔を向けて、ずかずかと歩み寄ってきた。

「おい。キング。フレア・・だったけ?ちょと借りてくよ。」俺とミヅキが茫然としていると、「いいっすよ。」と、キングの責任感など微塵もなさそうな声が聞こえた。

口をパクパクさせている俺の背中をつかんで肩に乗せるとそのまま扉を抜けて行った。

      ・・・・・・・・・・・・・・・

建物の裏手にある手頃な木の上に座らされた俺は、緊張して声も出ないままシリュウさんを見ていた。

「お前、出身は?」ようやくシリュウさんが口を開いた。

「あ、はい。竜の国です。」

「はっはは。そんなに緊張しねえ―で。普通に喋りな。別に尋問したいわけじゃないからよ。」そう言って俺の頭をぽんぽんと叩き、再び真面目な顔をして話し始めた。

「カイキと同じで根掘り葉掘り聞くのは嫌いだが、俺にも立場ってもんがあってな。色々聞くがいいか?」

「あ、はい。」

「よし。」その後、彼は色々なことを聞いてきた。親はいるのか。怪我はなぜ受けたのか。何故自分の国を出たのか。俺は全て答えたが、国を出た理由だけは答えなかった。

「そうか・・・まだたったの12歳なのにな。辛かっただろ。」

「い、いえ。そんな。僕は大丈夫です。」嘘だ。本当は辛い。泣いてわめきたい。3歳のころに親を亡くして、ほこりっぽくてかび臭い生活を強いられ、あげくのはて、Dなどというよくわからないもののために国を追放された。

「お前、ギルドの勧誘、断ったんだろ?なんでだ?」さっきまでの真剣な顔とは打って変わって、優しい顔で聞かれる。

「ぼくは・・親がいないことや、貧乏な生活をしていることが理由で、避けられ続けてきました。またそんな目に会うのが怖くて…」その時、頬を何か熱いものが伝わった。 涙。 親が死んでから一度も流さなかったそれが、自然と出た。初めて本気で自分考えてくれていることが嬉しかった。

「そっか・・そうだよな。でも心配するな。あのギルドにいるのはほとんどが孤児や昔悪い事をしちまった奴らだ。あいつらも最初はお前と同じだった。けど、今はここで笑ってる。皆が変われたんだ。お前が望むなら、このギルドに入れ。あいつらなら、きっと傷ついたお前の心を癒してくれるからよ。」シリュウは俺の頭を撫でた。

       ・・・・・・・・・・・・

その後、俺はミヅキにこのギルドに入ることを伝えた。ミヅキは輝かんばかりの笑顔を浮かべ、俺が怪我をしているのも忘れて抱きついた。そして、俺たちは今団長室にいる。目の前には、団長がいて、それを挟むようにキング、クイーン、ジャックが立っている。

「お前が入団してくれて本当に嬉しく思う。これからは、俺たちは家族。一緒に過ごし、苦難を乗り越えて行く。良いな?」おれたちはうなずいた。するとミヅキが、

「カイキさん。僕は親との縁を切りました。僕には今、名乗るべきファミリーネームがないんです。僕たちが家族と言うならば、あなたのファミリーネームを借りてもよろしいでしょうか?」それを聞くと、カイキ達は顔を見合せて笑いだした。ミヅキははっとしたように

「す、すいません!!」と、頭を下げて謝った。それを聞いたカイキはいやいやと手を振り、

「それを今から話そうと思ってたんだよ。シリュウから聞いてると思うけどここには孤児とか名前もわからない奴だっている。そういうやつらに、名前やファミリーネームを与えている。お前から言ってくれて、俺は嬉しいよ。・・・・フレアはどうすんだ?」カイキの言葉に、皆の視線がフレアに向けられる。

「俺は・・親との記憶がほとんどありません。でも、母は死に際に自由に生きろと言ってくれました。俺にもここにいる証をください!」

「よし。じゃあ君たちはミヅキ・ヴライブ、フレア・ヴライブ。改めて歓迎するよ。」その言葉とほぼ同時に、四師である三匹が、左目を閉じ、右手を胸に当てた。

「ここにいる限り、お前たちは俺たちの家族。お前たちが誰であろうと、俺たちが守ってみせる!」

カイキの言葉を聞いて、フレアはもっと強くなることを誓った。

                続く…

あとがき

久しぶりです!受験生です!

いよいよフレアの冒険がここから始まります!今までの過去を捨て、カイキたちの家族となった二匹が成長していく物語。どうか暖かく見守ってください。