彼が来た

抱きついてくる彼


何しに来たの?

忘れる為に過ごしていたのに


ずっと無言

振り払っても振り払っても抱きついてくる


食器を洗ってる最中だったから、

キッチンに戻って洗い始めた

後ろから抱きついてきた


震えてるのがわかった

彼が嗚咽し始めた


え?どうしたの、、


抱きしめてあげた

しばらく止まなかった


彼は初めて泣いた

目が腫れるほど泣いた


私はその時は落ち着いていたから、

ずっと抱きしめてトントンしていた


あなたが泣けて良かった

泣く事はいい事よ

素直になってたくさん泣いたらいい

心が浄化される


しばらく泣いていた、、

落ち着いてから話し出しても

涙が頬を伝う彼


生まれて初めて号泣した

誰かを想い、初めて泣いた

ツライと言い、

また泣いた


その後ベッドへ行き抱きしめあっている時に

私の涙が溢れ出した

繋がりながら、私は彼の胸で泣いた

彼の目からもまた涙が溢れ出た

涙を2人で流しながらキスをした

しょっぱかった、、


翌日の午前中に出発の彼

翌日の午前中は外せない仕事がある私


その日は一緒に泊まったけど、

不安と疲労がMaxの私達は険悪な雰囲気に

就寝前になった

そのまま翌朝別々の道へ、、


見送って欲しい事はわかっていた

仕事が早く片付いたら行くねとメッセージをした

だけど見送るのは怖かった

離れた後、1人になる、、、


新大阪に向かう電車

彼の一本後に乗る事が出来た


走って行った

間に合い、15分だけ一緒にいれた


新幹線がホームに入ってきた

キスを何度かした

さすがに濃厚なキスは出来ない


ツライ

寂しい

仕方ない


泣かないよう頑張ったけど、

堪えきれず、

泣きながら笑顔を作り手を振った