今回ご紹介するのは これまでとはちょっと違う種類の小説
これもまた 書籍のネットニュースで見たのを覚えていて 書店で発見

裏表紙のあらすじを読んで お買い上げ〜

今年(2018年)2月中旬に購入
3月中旬頃 読み終えました
購入時には このカバーの上に また違う絵柄のカバーが付いていましたが…
(↑映像化された際のイラスト)
私はこちらの方が 色彩が綺麗で好きです
『舟を編む』三浦しをん 著 (光文社)
初版 2015年3月 発行
初出 2009年11月号〜 CLASSY.(光文社刊)
既に読まれた方も 多いことでしょう
第9回 本屋大賞受賞作品
因みに 第14回 大賞受賞作品は
『蜂蜜と遠雷』恩田睦 著 (幻冬舎)
これは
ピアノコンクールの物語
ピアノコンクールの物語私の専門は音楽なので 少し読んでみましたが
途中で挫折しました〜
もう 長くて
長くて


長くて


(またいずれ 読む機会はあるでしょう)
さてさて 本題に入りますね

『舟を編む』
の“舟”は 辞書,辞典
“編む”とは 編纂(へんさん)する
と小説の文中に解説があります
つまり これは
辞書を編纂する物語
私は漢字に興味があるので
日本語の語釈を とことん追求していく辞書作りにも 興味を持ち
この小説を選びました













物語の舞台は 東京神保町にある 大手総合出版社
玄武書房の辞書編集部
冒頭の場面では
新しい辞書の企画を前に そろそろ定年を迎える
長年辞書作りに携わってきた 荒木公平
その荒木と共に 新しい辞書の企画をし
生涯を辞書編纂に捧げる協力者
監修の 松本先生
この二人の会話から始まるので
どちらかが主人公だろう と思いきや…
本当の主人公は その後しばらくしてから登場する
荒木は退職前に 自身の後継者を
と思い立ち
と思い立ち社内の営業部から 辞書向きの 若い人材を引き抜く
それが 主人公
律儀が行き過ぎて トンチンカンだが
言葉の意味を追求するのに熱心な
馬締 光也(まじめ みつや)

真面目な まじめ君
馬締と同い年でも 性格は正反対の
辞書編集部 西岡正志

西岡は辞書編集部から 宣伝広告部へ異動する事となり その数年後
女性雑誌編集部から 辞書編集部に配属
(島流し?)される
入社して3年の 岸辺みどり
荒木は定年退職後も 社外スタッフとして 新しい辞書作りに参加し
この5名の登場人物を中心に
二十万語以上を収録する辞書
大渡海 (だいとかい)
(“辞書は 言葉の海を渡る舟”
という意味で 名付けられる)
を15年もの歳月をかけて 編纂する物語である













15年の間には 独身だった馬締も西岡も結婚するので
その出会いや 結婚までの経緯と その後の様子も描かれ
特に馬締の場合は とても面白く
大まじめで書いた恋文を 彼女に渡す前に 西岡にチェックを頼む場面は
読みながらクスクス笑ってしまう
大渡海の編纂作業は 会社の事情で紆余曲折があり 難航するのだが
その様子も詳細に描かれている
一旦辞書が完成し 発行されても 引き続き改訂作業が行われ新しく辞書を作るのと同じくらいの 労力と手間がかかる
辞書編纂者は 常に用例採集カードを持ち歩き聞き慣れない言葉や変わった言葉の用法があると 書きとめる
新しい辞書を編纂する際には執筆を依頼する複数の教授に 予め修正の了承を得る根回しが必要!
文字数制限の為 大幅にカットする場合がある
辞書に使う紙と その「究極の紙」にふさわしいインクにまで とことん気を配り製紙会社,印刷会社, 編集部との間で 何度も検討を重ねる
…等々
辞書作りとは こんなにも大変な 手間のかかるものなのだ
と改めて思い知らされた
私は十数年前から 台湾の標準語 台灣華語を学んでいるのだが
日本にはその教材や 辞書でさえ乏しく
とある中国語の先生に「辞書を作って!」
とお願いしたことがある
この小説を読んで そんなお願いは 無謀な事だと つくづく実感した

小説の後には 本物の辞典編集部の方の解説があり
著者 三浦しをんさんが 編集の現場の取材で訪れた時のエピソードや
実際の 辞書編纂での様子など 興味深い
巻末にある 西岡と岸辺の解説付きの
『馬締の恋文』全文公開
には
には(この恋文 解説がないと 一般人には意味が分からない)
漢詩も出てきて 中国語学習者には勉強にもなり
一般の方にも きっと大笑いされる事だろう

日常会話には出て来ない言葉が 多数ありながらも 楽しく読めて
語学としての日本語の 勉強にもなる 辞書作りの物語
まだ読んでいない方には
お薦めの一冊です

さて 私のこの今回の書評
言葉選びに間違いは 無いだろうか…





