1年前の記事も少し見やすく調整し、

11周年目としての続編も書いております。ぜひ、合わせてご覧ください。

 

▪️10周年を迎えて ~Vol.1~

Brush eightは2023年7月で10周年を迎えました。振り返ってみると、本当に様々なことがありました。山あり谷ありと言いますが、正直言うと、ほぼ谷ばかり(笑)。それでも、なんとか10年続けてこれたことは、まさに奇跡です。これもすべて、たくさんの方々に助けていただいたおかげであり、感謝してもしきれないほどの恩があります。

オープン当初は、販売数が7~8本程度という、正直クレイジーなスタートでした。それが10年持ちこたえたことを考えると、自分でも驚くばかりです。今でも「あれでよくオープンしたな」と思います。

 

 

写真を見返すと、

1年後の2024年には本数も増えて楽器店らしくなってました、

 

 

 

 

 

私が楽器屋をオープンさせた背景は、ちょっと普通ではありません。楽器店やメーカーで働いた経験もなく、顧客ゼロの状態からスタートしたのです。ミュージシャンとして活動していた私が、いきなり楽器業界に新規参入したので、最初は取引したいメーカーにメールを送っても信用されず、無視されることもありました(笑)。

オープン当初の在庫は、ギター7~8本に、アンプはCeriatoneが2台、あとはシールドのみ。そこから知り合いのギタリストにお願いして、メーカーを紹介してもらい、なんとか取引ができるようになりました。後日、無視していた会社から営業の連絡があり、「オープンは嘘だと思っていました」と言われたこともありました。いや、本当に開いてますから!

勢いでオープンさせた楽器屋ですが、何度も言うように、当時は本当にクレイジーだったと思います。ある方から「ミュージシャンから楽器業界に飛び込んで実店舗をオープンさせた人間なんて、ほとんど聞いたことがない」と言われたことがありますが、そうなのかもしれません。

オープン当初はSNSでもかなり叩かれましたが、なんとか10年続きました。そんな10年間を振り返りつつ、こうして文章を書いています。

 

 

※イベントもたくさん開催してきましたが、中でも特に印象的だったのは、ダンブル試奏会というとんでもないイベントです。

本当に貴重な体験でした。

写真はその時の様子ですが、ダンブル(この個体もレジェンドギタリストの特別なもの)だけでなく、他にもここでは言えないようなレアなアンプが揃っていました。

良い悪いではなく、本物を知ることの大切さを改めて認識させられたイベントでした。


 

▪️楽器屋をオープンするまで ~Vol.2~

 

 

私は20歳過ぎからギタリスト、音楽専門学校の講師、イベンターとして生計を立てていました。現在でもギターの録音やライブの仕事をしていますが、当時はもっと忙しく、ライブ、レコーディング、レッスン、イベント企画、ツアーなど、様々なことに取り組んでいました。

特に海外の情報に敏感で、日本ではまだ流行していないブランドやメーカーをいち早く見つけ、輸入して使っていました。ヴィンテージのハンダやコンデンサーも買い漁り、ランドグラフ(シリアル6とか?)やアナログマンのペダルを使いまくっていたのもこの頃です。

楽器が好きで、セッティングや個体差にもこだわりが強かった私は、徐々に楽器販売に興味を持つようになりました。神戸の楽器屋さんで動画付き販売を提案し、約1年間試奏動画付き販売を実施しました。これが結構売れたんです。

その経験を経て、「自分でやってみよう」と決意し、楽器業界への参入を果たしました。そこからがまた、"ほぼ谷"の連続でしたが、それでもここまで続けてこられたのは、皆様のおかげです。

 

 

※オープン当時から、当店で取り扱う楽器や機材は、実際にライブやレコーディングで使用し、その良い点や改善点を発見してきました。もちろん今でも続けています。自信を持って販売するために、これがとても大切なことだと考えています。

 

 

 

 

そして、

「紆余曲折を経て、2024年7月に11年目に突入!」

 

写真は現在のBrush eight

 

 

 

▪️11周年を迎えて ~Vol.3~

Brush eightのコンセプト

Brush eightは、個体差の選定プレイヤー目線の調整をコンセプトに掲げ、11年間その信念を守り続けています。

新品のギターに関しては、徹底的に選び抜くことを何よりも大切にしています。アコースティックギターは、鳴りの良い個体を厳選し、そういった選定が可能なメーカーのみを取り扱っています。エレキギターについても、できる限り直接選定することを心がけています。それが難しい場合でも、工場に足を運んだり、メーカー担当者に持ってきてもらい、実際に自分の目と手で確かめています。

 

当店が日本で初めて輸入したTMG Guitar Co.やHsiu Guitar Workshop、Ceriatoneに関しても、すべて現地まで赴き、ビルダーさんに直接会っています。ビルダーとの直接の対話は、信頼関係を築き、その楽器が持つ本当の魅力を理解するために重要だと考えています。

 

 

・マレーシア、LA、台湾にて

 

 

 

入荷後は、新品であってもセッティングに全力を注ぎます。フレットの擦り合わせやナットの調整も欠かしません。選定や調整の出来具合は、すべて私自身が細かくチェックしています。

ギターを作ることはできませんが、プロのギタリストとしての経験から、ギターの良し悪しやセッティングの具合を見極める力があります。メーカーもミュージシャンにギターを弾いてもらって意見を取り入れることがありますが、私も自分の店で同じことを実践しています。また、方向性が偏らないように、信頼できるギタリスト仲間でありスタッフの直塚に見てもらったり、動画撮影時には皆の意見を求めたりもしています。

選定してダメな個体は返し、調整が上がってきてもダメだったら返す。このスタンスは今でも変わりません。正直、儲かりませんし、取り扱い楽器の数も増えません。しかし、取り扱いたい楽器だけを扱うという信念があるからこそ、これでいいんだと確信するようになりました。

 

 

▪️Brush eightのイメージ

時々「Brush eightは怖いイメージがある」と言われることがありますが、一度ご来店いただければ、そのイメージが変わると思います。おそらく、日本でトップ5に入るほど超絶優しい楽器店だと思っています(笑)。特に初心者の方には、利益を度外視して親切に対応しています。興味のある方は、ぜひ一度遊びに来てください。

 

昨年、10周年を迎えた際に気合を入れ直し、新店舗にも引っ越しました。これからも独自路線を進み、オリジナリティのある優しい楽器店を目指していきたいと思っています。

 

特に学生さんには、これまで以上に優しく接していきたいと思っています。これまでも、ギターご購入時に、その時に用意できるペダルやチューナーがあれば、無料で差し上げてきましたので、もしギターを探している学生さんがいれば、ぜひ一度遊びに来てくださいね。

 

 

▪️これからの挑戦

 

今後も当店で力を入れている以下のブランドを軸に、更なる挑戦を続けていきます。

  • Hsiu Guitar Workshop
  • TMG Guitar Co.
  • Ceriatone Amp

これらを基盤に、オリジナルペダル類の販売やペダルのMOD、アンプのMODにも一層力を入れていく予定です。

今後の計画について

  • Hsiu Guitar Workshop
    現在展開しているストラトやテレキャスタータイプに加え、1959年モデルから採寸したレスポールや、ホロウボディのテレキャスター、ベースのプロトタイプを進めています。

 
  • Ceriatone Amp
    当店のCustomモデルはさらに進化を遂げており、コンデンサーにJupiter、抵抗や線材、ハンダにはヴィンテージのものを使用した特別なモデルを製作しています。

 
  • オリジナルペダルやMOD製品
    現在のラインナップであるDrive X、Drive X “VWSC”、Buffer、SD9 MOD Ver4.5、TS808 MOD Ver4.5、TS9 MODに加えて、新たに以下の製品を予定しています。

    • ブルースブレイカータイプのDrive X2
    • ファズ風のDrive X3(仮)
    • New Drive X
 

また、オリジナル設計のアンプも計画しており、Ceriatoneの改造モデルになるかもしれませんが、どうか楽しみにしていてください。

 

また、2024年9月末には新WEBサイトに移行する予定です。ドメインも変更になりますので、事前に改めてご案内いたします。


 

 

▪️最後に

 

ご覧くださった皆様、当店をご利用くださっているすべてのお客様、これからご利用いただくお客様、そして協力してくださっている多くのミュージシャンの皆様に、心から感謝申し上げます。

 

 

 

 

・株式会社ブラッシュエイト代表取締役

中村文彦