Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.97
Distillati&Liquori di Gualtiero Marchesi
特別編;知られざる逸品 Barone Ricasoli-Torricella 1982 その1
今は幻となったイタリアワインの逸品をご紹介します。伝説・幻のToscanaの白、Torricella。
同名の白ワインを現在のBarone Ricasoliが生産していますが、これは全くの別物です。
Torricella
生産初年度:1800年代(文書無し)、
使用ブドウ:Malvasia、Trebbiano Toscano、
畑名:Vigna Torricella (località Torricella, Nebbiano, San Felice, Gaiole in Chianti, Siena,Toscana)、
畑展開方角:南西~南~南東だれ、
畑海抜:320~360m、
収穫方法:手摘み、完熟まで収穫しない、収穫後は日陰にて弱めのアパッシメント、
圧搾:非常に弱め、
ファーマ容器:INOX、温度調整、
ファーマ温度:18~19℃、スローファーマテーション、残糖させず完全発酵させる、
熟成容器:オーク大樽2500l、
熟成期間:30か月、その後6か月瓶熟、
アルコール度数:13.15%、
総酸度:5.2%、
エクストラクト:26.8g/l、
瓶熟可能期間:10年以上、
生産本数:6000本(1982)
懐かしいボルドー瓶の黄エティケッタ。現存資料はほとんど無く、32代目の現当主Francesco Ricasoliでさえもあまり知らないという古のカルト白ワインです。ChiantiのオリジンともいえるCastello di Brolioですが、一度は没落し他企業に買われ、量産品を生産・販売するカンティーナとなっていました。そのポートフォリオの中で唯一輝いていたワインは、実は赤でなくこの白だったのです。この白、実は当初は全く勘違いして認識していました。つまり、Castello di BrolioがChiantiに使用しなかった白の余剰ブドウを使い、Chianti熟成用の樽で造った1960年代頃からのワインと思い込んでいましたが、さにあらず。実は1800年代から造られていた白ワインとの事。但し、歴史的な背景はこれ以上分からず。醸造法なども上記情報しか把握していません。
次回でこの幻の白をまとめます。
Torricella Barone Ricasoli トリチェッラ バローネ・リカソーリ
Torricella Barone Ricasoli トリチェッラ バローネ・リカソーリ 1950
Torricella Barone Ricasoli トリチェッラ バローネ・リカソーリ 1955
Torricella Barone Ricasoli トリチェッラ バローネ・リカソーリ 1981
Torricella Barone Ricasoli トリチェッラ バローネ・リカソーリ 1983