Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.79
Attilio Contini-Vernaccia di Oristano Riserva 1971
今回は珍品Vernaccia di Oristano。TreBicchieriも獲得しています。
生産初年度:1962,
年間生産量:約5000本(375ml)
使用品種:Vernaccia di Oristano100%, 契約農家からの購入
畑位置:20~100m s.l.m.
土壌:沖積地形、砂質、 若干粘土質
栽培方法:アルベレッロ、ギヨー、コルドーネ・スペロナート
resa:30~40qli
密植度/h:5000本
平均樹齢:30年
ファーマ:INOX、17~18℃
温度調整法:外部冷却式、タンク外部をチューブ巻き、内部の触媒グリコールによる温度調整
ファーマ&マセ日数:25~40日
熟成容器:600~5000l、栗70%、スロヴェニアンオーク30%
熟成期間:15年
清澄:ベントナイト、珪化微粉末、 -5℃冷却、最終的に滅菌フィルターにてフロール完全除去。
※貯蔵樽にはワインを70%程度しか詰めず、樽内で空間を造り、フロールを発生させる。バレルセレクションを行い、全体の中から状態の良い物だけをRiservaとして更に長期の熟成を行う。熟成期間中、目減り補充をせず、(VinSantoの様に)大容量の樽から徐々に小容量の樽へ移し替える。
Bar棚で発見した時は、全くこのワインの存在を知らず、日本でもノーチェックでした。Vini d’Italia89を眺めていると一つだけ飛びぬけて古いヴィンテージの白があり変に思っていたのですが、まさか目の前のバー棚にあるとは。飲んで驚愕という出会いです。いわゆるイタリアのシェリー。但し酒精強化では無く、天然アルコールのみで仕上げます。フロールと接触しながらの熟成期間は、酵母を死滅させない為、20が手前での温度管理が必要となります。サルデーニャの暑い気候が成せる技。但し非常に面倒で完成までに年月もかかり、爆発的な需要は見込めない特殊なワインなので、年々生産者が減少しています。
Vini d’Italia1988でもご紹介したDe BartoliのMarsala、Sella&MoscaのAnghelu Rujuなど、シチリア・サルデーニャで造られる特殊なワインは、その唯一無二のユニークさや高品質といった諸条件を備えているにも関わらず、生産販売に苦労している事は事実です。De Bartoliはスティルワインの製造を強化しつつスプマンテの製造を開始しました。Sella&MoscaはTerra Morettiの傘下に入り、つまりBellavistaと同グループ、私の古巣L’Alberetaの同族会社となり、生産の続行を試みます。今はAmaroやGrappaというイタリアアルコールを代表する物まで消費減少している時代、我々こそが積極的にオンリストしてボトルを開けようでは無いですか。
イタリアにいた頃、カラスミのパスタやスモークサーモン、更に私は塩気の利いた生ハムやSalameと良く合わせて飲んでいました。当初はこの71を筆頭に79などの古いヴィンテージがずらりと勢ぞろい。偉大なVino da Meditazioneだからという事で、やせ我慢してアテ無しにちびちび飲んでいましたが、どうにも進まない。上記の様な塩気物と一緒に飲み始めてから俄然と減りが早くなりました。特に相性が良かったのはサキイカ、スルメ、柿ピー。日本土産でもらったり、送ってもらったりしながらマルケージのウェイティングバー横の暖炉部屋でぱりぱりやりながらキュッと一杯。イタリアで発見した最高のAbbinamentoの一つです。確かマルケージにも試させたはず。彼が激賞。『私のMedaglioni di Vitello alla Vernacciaと同じ位、良いAbbinamentoだ』と言ったとか言わなかったとか。
この項 了。
ヴェルナッチャ ディ オリスターノ コンティーニ テクニカルシート
コンティーニ カンティーナ 場所
ヴェルナッチャ ディ オリスターノ コンティーニ フロール
ヴェルナッチャ ディ オリスターノ 熟成庫
マルケージのレシピ 仔牛のメダリオン ヴェルナッチャソース
Medaglioni di Vitello alla Vernaccia