リヴィオ フェッルーガ:テッレ アルテ 1987 その2 | 古きイタリアワインの魅力を読み解く

古きイタリアワインの魅力を読み解く

イタリアンワインガイド ガンベロ・ロッソ 1988-1989
イタリアワイン界に多大な影響を与えるガンベロ・ロッソ Gambero Rossoですが、この初期(1988や1989当時)のレアなイタリアワインと古酒の数々を、掘り下げて解説します。

Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.65

Livio Felluga-Terre Alte 1987 その2

 

Livio Felluga。

昔からワイン造りをしている家系の生まれですが、ここまで会社を大きくしたのは全て彼の尽力によるものです。2016年12月に102歳で大往生され、ネットでは依然Livio Fellugaの偉人伝がより多く見受けられます。

Vini d’Italiaの黎明期、既にTerre AlteはFriuli白の代表格でした。美味くて当たり前、当時から別格扱いの白。近年ではTerre Alteの評価・功績などは改めて語られておりませんが、相も変わらず信頼置ける一本であり、私が必ずオンリストするワインです。

 

当時、Friuli白の混醸品と言えば、Abbazia di Rosazzo-Zamo、Dorigo、Schiopetto、Puiatti、Jermann、Gravnerなどなどが代表格です。この当時から個性的で破天荒な作品が多く、例えば以前ご紹介したPuiatti Biancoは83、84、85のマルチヴィンテージ&Ch,PB,PNの混醸でヴィンテージ無し白を造るという、いわゆるフランス・サランのフリウリ版を造ったほど。そんな個性派集団の中で、Livio Fellugaはオーソドックスな存在でありながらも今日まで変わらぬ高品質を誇ります。

 

Livio Fellugaのポートフォリオは単一品種と混醸品の両方がバランス良く生産されていますが、単一品種がLivioの手に成るもの(Vini d’Italia1989出版当時は既に75歳)、ファンタジーネームの混醸品が息子のMaurizioの発案になります。

以前のLivioの造り方はクラシックを踏襲したもので、単一品種仕込み、フレッシュ、活き活きとした酸が特徴でしたが、収穫一年後には酸化が始まり、二年後には飲めない物になることがしばしば。Maurizioは古い製法での行き詰まりを感じつつ、いち早く混醸品で成功していたJermannやフランスの生産者の手法を知るに連れ、Terre Alteの様な混醸品を提案試作したのが1980。但し当時は混醸品生産のノウハウを知らなかったので大失敗に終わり、温度調整が出来るブドウ毎の醗酵容器などを整え、ようやく1981に形になったという訳です。

 

昔も今も花とフルーツの薫りは圧倒的。ジャスミン、アカシアからフルーツ系に変わり、最後にはアーモンドプードルやヴァニラ。ほんの少しシダー、タイム、リクリツィアが混じります。バランスの良い味わい、樽の影響は感じません。自分の最高の一本として90を挙げました。

当時と今で変わった事は、

エティケッタがカラーになった事、

Vino da TavolaがDOCを経てDOCGになった事、

瓶型がほっそり型からふっくら型になった事、

これ位でしょうか。

 

ほっそり型からふっくら型へ。おや、体型変化は私と似ています。

Terre Alteは変わらず高貴ですが、私の品質は、相変わらず困ったものです。

 

この項 了。

リヴィオフェッルーガ テッレアルテ テクニカルシート 

Vini d'Italia 1989 Livio Felluga  Terre Alte 1987  Tre Bicchieri

Terre Alte 1990  Mio preferito

リヴィオフェッルーガ 現行 ポートフォリオ

リヴィオフェッルーガ テッレアルテ 畑 場所 写真

Livio Felluga カンティーナ 写真