Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.62
Antinori Tignanello 1983 その1
Tignanello、この時代のエースワインでした。前回のVini d’Italia 1988では1982をご紹介しました。
今回は1983のご紹介です。
TignanelloのオリジンはChianti Classicoですが、故エミール・ペイノーの助言をきっかけに1971年から品質改良を行います。今回は畑の分析と昨今のAntinori実情を書きましょう。
Tignanello
生産初年度:1971(1970にはそのベースとなるChianti Classico Riservaが生産された)、
生産本数:約220,000本、
使用ブドウ品種:Sv80, CS10~15, CF5~10(ほぼCS14、CF6)、
畑名:Vigneto Tignanello、Tenuta Tignanello内、San Casciano Val di Pesa (Firenze)、
畑面積:55h、
畑展開方角:南~西だれ、
海抜:350~400m、
土壌:鮮新世(533万年前~360万年前)のガレストロ(石灰質を含む粘土の瓦礫土壌)とアルベレーゼ(炭酸カルシウムを含む泥灰土の岩石質)の混合、
栽培方法:cordone speronato, archetto toscano, alberello、
密植度:4000株/h、
平均樹齢:15年、
resa:55qli/h(ブドウ樹1株1.3㎏程度)、
収穫方法:手摘み、
ファーマ容器:INOX、
ファーマ温度:28~30℃、自動温度調整、
ファーマ&マセ日数:Sv8~18日、 CS&CF12~22日、
ルモンタージュ:一日2回(午前&夜)、cappello sommerso、
マロ:実施しない、
熟成容器:アリエ・ヌヴェール・トロンセ産のオークバリック、225l、
樽齢:新樽1/3・2年目1/3・3年目1/3、
熟成期間:18~24ヵ月間、
清澄:卵白、ろ過、
前回掲載した年表を改正・再掲します。
1970:Chianti Classico Riserva Villa Antinori vigna del podere “Tignanello”として生産。Sv75, Can20, Tre+Malv5
1971:ワイン名称をTignanelloに変更。VdTとして生産開始。Sv75, Can20, Tre+Malv5(132,500bt)
1972~74:天候不良&白ブドウ品種を排除する研究途中の為生産中止。
1975:Sv80, Can20(31,207bt, ?Mg, ?DMg)白ブドウを使用せず生産。トライアルの為生産本数は激減した。
1976;発育不良&1975の欠点改良の為に生産せず、研究年とした。
1977:Sv90, CS+CF10。Can,Treを排し、CSとCFを使用して造る。(116,334bt, 1,500Mg, 200DMg)
1978:Sv88, CS+CF12(149,850bt)
1979:Sv85, CS+CF15(187,000bt)
1980:Sv80, CS+CF20(224,500bt, 3,380Mg, 550DMg)
1981:Sv80, CS+CF20(81以降は生産量記載せず)
1982:Sv80, CS10~15, CF5~10。Vini d’Italia1988でTreBicchieri。
1983:Sv80, CS10~15, CF5~10。以降%は左記に固定。Vini d’Italia1989でTreBicchieri。
次回、Antinoriの実情をお書きします。
アンティノリ ティニャネッロ ファーストヴィンテージ 1971 これぞトスカーナ赤
現行 アンティノリ ティニャネッロ
アンティノリ ティニャネッロ 1983
ティニャネッロ 2015 テクニカルシート
ヴィーニディイタリア1989 Vini d'Italia 1989
ティニャネッロ畑 ①
ティニャネッロ畑 ② 有名な三角部分
ティニャネッロ畑③
ティニャネッロ畑 下部 アップ 太陽光輻射用の白石