グラヴネル:シャルドネ 1987 その1 | 古きイタリアワインの魅力を読み解く

古きイタリアワインの魅力を読み解く

イタリアンワインガイド ガンベロ・ロッソ 1988-1989
イタリアワイン界に多大な影響を与えるガンベロ・ロッソ Gambero Rossoですが、この初期(1988や1989当時)のレアなイタリアワインと古酒の数々を、掘り下げて解説します。

Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.39

Gravner Chardonnay 1987 その1

 

前回は2019年10月10日、Vini d’Italia1988でご紹介したChardonnay1983 Gravner。生産されなくなって久しく、今や幻の白となっています。今回はVini d’Italia1989でTreBicchieri受賞の“Chardonnay1987”から今日に至るまでの詳しい分析を、しっかりお書きします。

 

Az.Agr.Gravner Francesco

設立年:1901。但し、第一次世界大戦時は野戦病院として使用され(その名残でカンティーナ住所はVia Lenzuolo Bianco=白いシーツ通り、という名前)、1976年にはフリウリ地震による被害を受けるなど、数回の改修工事を余儀なくされている、

創始者:Joseph Gravner(初代)、

現オーナー:Joško Gravner(二代目:正式姓名はFrancesco Joško Gravner)、

 

Chardonnay

生産初年度:1974、

平均生産本数:11000本、

畑名:Polje、

畑面積:2.33h、

方角:南~北東だれ、

海抜:250m、

土壌:この地方の呼び名でPoncaと称される石灰質・泥灰質土壌、

栽培方法:グイヨ、

密植度:3500~9500株/h、

植樹年:1973、

resa:60qli、

収穫方法:手摘み、

ファーマ容器:オーク樽(容量不明)、

ファーマ温度:無調整、

ファーマ温度調整機能:無し、

ファーマ期間:収穫年により大きく異なる、

マロ:(一部発酵又は全部発酵を含め)自然に任せる、

熟成容器:フレンチオーク樽(110~228l)、

樽齢:収穫年により大きく異なる(1992:樽により異なる、1993:新樽率100%)、

熟成期間:18ヵ月、

清澄:毛足の長い繊維の詰まった厚紙でろ過

 

上記で語った造り方は1992年に取材当時のメモです。現在とは造り方が異なっており、既にシャルドネ単一ワインは造られておりません。

 

次回から詳細を解説していきましょう。