SANA VS SAMSON "LAST EXIT" 3
サナは前の対決のときに過ごした小屋で寝起きしていた。
傍らには猫のゴルドがいる。
毎日のように"氣"を練り、岩を、時には地面をも破壊するため小屋の周囲はすべてが終って無となった戦場のようだった。
ここ数日でさらに"氣"を拡散させ、一度で数十ヵ所に攻撃をヒットさせる術を身につけた。
こうして幾つもの朝と夜が過ぎてゆく。
ここでこのままでいたって、あの男はわたしをみつける。
そう思っていたから、サナはあえてそこから移動しようとはしなかった。
猫のゴルドがしょっちゅうエサをねだるので、その買い出しにマルシェに通う以外は、これといって人づきあいもない。
いつ死ぬかもわからない状況に身を置く自分が、保身を考えることなど無意味。ただ、危険が他に及ぶのなら、少しでも近くに住まう人間たちと(それでも徒歩でたっぷり半日は必要な距離だが)ゴルドだけは助けてやろうと思った。
手のひらから発せられる"氣"は魂の一部でもある。
エネルギーはなんのことはない、ごく普通の食事を摂ることで補充できる。人間のありのままの生活でいい。
食べ物がサナの体を構築する、脳を活性化させる。人であることを思わせる。
当たり前の生活が、最大の鍛錬。
そこに敵がくれば、消す。そんな生活が、もうしばらく続きそうだった。
