リースロット帝国を思う
月の下。
30年前と変わらないのはわたしだけ。
あれはね。
生き残る気なんてなかった。あれだけ人を殺して国を築いて、喜んだのはわたしたちだけ。
瓦礫の帝国で玉座についたあの人。
30年前にわたしは今と違うわたしだった。
あのとき瓦礫と熱砂に消えた民に紛れて消えようと思った。
あんな地獄のような大地に生き残って、普通の人間のままでいられるなんて思わなかったから。
ねえ・・・・・
今夜も同じ月が見えるわ、皇帝陛下。
瓦礫の王。
廃墟の王。
今はどこ?
・・・・・・・・・。
月の下。
懺悔する声わたしの声。
神はわたしに語りかけた。でも答えは何?
殺せと言わないで。生かせと言ってよ。
みんなを犠牲に成り上がるなら、自分を犠牲に人を助けたかった。
だからわたしはあなたを捨てた。神を捨てた。
力をくれるものはいたわ。
それは悪魔。
わかりやすいね。
月の下で思うことは過去の微笑み。今は何処?