冥界へ続く道
ケイティからアークエンジェルへ転生した娘は剣を携え、橋の向こうに見える人影を追った。
天国と地獄を分ける場所はとにかく大雑把で、平凡でも堅実に生きてきた魂はアークエンジェルの元には来ないもの。
ここにくるのは悪人や突拍子もないほどの才をもって生きた者とされる。いわゆる一般人は、罪でも犯していない限りは天国へ行き、次の人生が始まるまで待機となる。
眠らないエヴァンの魂と共にそこにいると。
黒地に蝶の模様をあしらった拳法着姿の女が至近距離まで近づいた。
「・・・・サナ」
アークエンジェルは剣・Sword of Judgementを構えようとして、その動きを止めた。思考がぐるぐる回りだす。
ここにいるということはサナは死んだということ。
「ケイティこんにちは。いきなりだけどわたしは修羅界を選びます」
「死んだの? あなた・・・」
「人魚のいる島やあなたの剣。目的はあったけど、それじゃ足らないみたい。だから修羅界よ。訳がわからないと思うけど、あなたは自分の職務を果たせばいいの」
アークエンジェルは混乱する。
右は天国。左は地獄への道。
地獄の中でもサナは修羅界を望んでいる。
(なぜそんなところに? なぜ彼女はここに。ほんとに死んでしまったの? どうやって、それとも誰が)
剣が光った。
光が弾けて、橋の下の水面をスクリーンにしてすべてを語る。
サナはケヴィン・ナッシュによって殺されていた。もとの水面に戻る瞬間、アークエンジェルはそこに映るケヴィン・ナッシュの唇の動きを読んだ。
”しまった”と。