桜だけではない。

蒲公英も菜の花も同じ品種でありながら、

育った環境や時期によって開花、満開し、

世代交代の時期がずれる。

これを個体差という…

ずっと昔の生物の授業を思い出した。

早く咲けば早く散り、遅く咲けば遅く散る。

良い悪い、得か損か、優性劣性を競うものでもない。

無為自然とは、輪廻転生とはそういうものです。

散り行く、すでに散ってしまった染井吉野の中で、

一本の枝垂れ桜だけが遅咲きを誇る優美性。

その光景が和服の井出達とダブった。

成人式の時、それなりでしかなかったのに。

10年が経過した今、友達に和服の方がよく似合うと褒められる。

1年前のちょうど今日のような日に、

着物姿の同窓生の女性に、カフェYで出会った。

出会ったといっても、

入店があと30秒遅れていれば単にすれ違っていたろう、

30年ぶりの偶然だった。

目鼻立ちのはっきりした痩身は、あの頃より素敵にみえた。

彼女自身が遅咲きの幸福をしっかりと実感していることを表す、

オーラが出ていたのだろう。





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