褐色の透鏡。レンズは漢字で書くと透鏡になる。

人間の目、あるいは映像を観る視点や視座を

レンズという言葉に置き換えた歌がある。

それはロックで、世相や社会現象への警鐘や啓蒙を

1つの物語に暗喩として詠いこんでいる。

カナダ発の3人組。すでにデビューから40年になる。

シングルヒットも、際立ったスター性も日本ではないが、

知る人ぞ知る、好きな人は好きな

プログレッシブロックグループだ。

そのRedLensが発表されたのは1984年の秋。

邦題は赤色の映像、とある。

経過した時間の流れを思うと、

コアファンの間ではBrownLensになっていることだろう。

青い空にいくつかの放物線を描く、投てき物。

それはイメージとか思いであるなどの物質ではない

人それぞれのサムシングが、

人それぞれの物語を映す。

まれに人の目は熱い透鏡、いや映写機になる。






PS.
夜は千の眼を持つ。というウィリアム·アイリッシュの小説のタイトルと、ずっと好きだったRUSHのナンバー、RedLensのメロディがシンクロして、この散文が生まれた。もう4年ほど前の秋の初めで、実家のアルバムにあった何十年も前の古いモノクロームの写真とか1950年~60年代の映画に耽溺していた時でもあったから、余計だった。すでに若かった頃に観ていたが、30年近くを経て、大人になって改めて観てみて映像の見え方(感慨や物語の奥行き)が違うことに気づけることが、確認できるからでもあった。俺たちの旅のエンディングテーマ、ただお前がいい、と歌う青年の中村雅俊が、最近やっと好きになれた。70年代のああいう青年が今いてくれたら、素敵だなあと思えたから。反体制派を気取る、見せかけの勢いだけのノマドで…無知で無力で、無謀だけれど、その真面目さと純粋さだけは右に出るもののいなさそうな無骨なあの中村青年にいつのまにか憧れていた。







●ちょうど5年前の晩秋から初冬にかけ、書いていながらアップし忘れていた散文が数十本、古い控えフォルダから先ほど発見。時節に沿って、その時折の心象を成り行きに任せて綴ったショートストーリーのよう(こんなの書いていた事も先ほどまで忘れていた)。デフォルメを一切していないので、お見苦しくご不明な点があろうかと存じますが、どうかご海容ください。 ではまた後日、別の散文をアップします。




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