ギリシャ新首相選びが難航、
7日は合意できず協議継続
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昔、そう小学1年位の頃で近くの散髪屋
(普通床屋というが地元ではこの名称が主流だった)に
父親と連れ立って行くのが普通だった。
髪切りぐらい、すでに1人で行けなければ
いけない年齢だったが、生来の道草が祟って
僕のその帰り道が危ぶまれたために
何かの用事で町へ行くには
父親同行が条件となっていた。
当然、父親の席の隣りで同時に散髪は
行われるわけだが、なじみの店主と客(父親)は
席に着くなり話が止まらない。
世相とスポーツ、スポーツは特に野球が中心。
栄光のV9時代の末期、長嶋の引退が騒がれ、
王の2度目の3冠王は叶うかどうか。
阪神の田淵はすでに下腹が出すぎだ、
打てないのは飽食と酒と遊びが過ぎているからだ。
それにしても堀内もよく打たれるようになった。
江夏も球速が落ちた、阪神を出されるかもしれん。
互いが互いの話に相槌を打ちながら
世相と世間話が入り乱れて
政治批判と近頃の若いモン、の話題に移る。
田中角栄が列島改造論をぶち上げたせいで
全国の土地が異常に高騰して、狂乱物価を招く
インフレを引き起こし、オイルショックで
冬はストーブを焚くにも時間を決めて
灯油の節約をしないと‥困ったものだ。
ロッキード事件の前の年、金脈問題で
騒がれ始めていた頃。
散髪屋で、散髪屋と父親2人のオッサン達の
庶民の怒りの談話が店内に響いていた。
他の客は僕だけだったので余計に遠慮がなかった。
あの時だけでなく、2月か3月に一度、
あの散髪屋へ行くたび、客は決まって
父親と僕だったので、あえて2人は互いに
大きな声で日常の憂世への不満を吐き出す
機会を図ってそうしていたのかもしれない。
田中角栄という政治家は早く辞めた方がいい。
三木と福田はどちらも絶好のチャンスが来たと
思っているはず。
手を組むにしても、どちらが角栄の首に
鈴を付けに行くか‥譲り合いなすり合いで
またひと悶着あるのではないか。
さらには、どちらかが変わった処で
我々の生活が急によくなるとは思えない。
所詮、平民は平民、兵隊は兵隊、
百姓は百姓‥
この最後のはき捨てるような散髪屋の主人の
セリフと、鏡に並んで移っていた
苦笑いする父親の顔を思い出した。
今回のギリシア財政危機に端を発する首相交代に
まで至る一連の世界を混沌とさせる騒動も、
世のオジサンたちの厭世家を自称する
憂世話の格好のターゲットになっていよう。
パパンドレフ元首相はうまく逃げた。
EUとEFSFからの追加融資の承認を受けるという
国辱に匹敵する針のムシロで耐え抜いたところで
自らの幕引きを考え付いたのだろうと思う。
ポスト・パパンドレフといわれても
誰も手を挙げたがる候補者などいまい。
引いても押しても、下がっても進んでも
拉致の開きそうにない国政の行方が見えているのに
火中の栗を拾う筆頭になど誰がなりたいものか。
あのポスト田中角栄時代、直近では
菅直人就任直後の谷垣自民党総裁への
大連合打診での、国家的危機でのバトンチェンジに
おける責任のなすり付け合い、押し付け合いという
政治家たちの悲喜劇と重なってしまう。
政治家は政治家、政治家も所詮、1人の凡人。
父親と毒談を繰り広げていた、
あの散髪屋の大将ならそう嘆くかもしれない。
散髪屋は今も続いている。
が、大将は白髪の老人になり、
父親は髪切りに行く必要のない禿頭になった。
すでに10年ほど前から。
サインポールも毎日、路上で廻っている。
通勤の途上、車中から観るが、
子どもの頃の散髪屋の姿はそこにはなかった。
サインポールはあと何年先まで廻るだろう。
