今日、例の白いたいやき屋に行った。
相変わらず、行列ができていた。
今日の列には、数人の大人が混じっていたが
スーツを着ているのは僕だけだった。
十数人の列の最後尾に立っていたが
前列の身長が低いせいか
店頭が見渡せた。
背が高いことを自慢したいのではない。
最後尾が5分もたたないうちに
親子連れが2組にのびた。
いずれも背の低い人々の中にあって
スーツ姿のノッポの中年が一人
浮き上がるようにボーっと立つ姿を
客観的に見ていると、恥ずかしくなった。
さらに、最後尾の5歳位の子どもがぐずりだし
母親があやしているのを後ろで感じ
いたたまれずに、列を離れた。
また、いつかにしよう。
例の看板をよく見ると
白いたいやきグループえびす堂福知山店。
とあった。
グループえびす堂福知山店、の
文字にがっくりきた。
なーんだ、フランチャイズかあ。
頑固なこだわり兄さんが、
愛想も半端に、汗だくで焼く白いたいやき
ではなかった。
恐らくは、あらかじめ本部直轄の生産工場で
用意された原材料とレシピに従い、
フルオートメーションで造られた
ワン・オブ・ゼム。
インスタント白いたいやきだと想像がついた。
それならスーパーの冷凍コーナーにある
レトルトでも大差はない。
僕の、白いたいやき、に膨らんだ
熱くやわらかい幻想は、幻滅に変わった。
しょせん、コケオドシか。
オープンからまだ10日だという。
行列は何日まで続くのだろう。
行列が途絶える日を待って、物見しよう。
このチェーンが
第二の餃子の王将、天下一品、吉野屋に
なれるだろうか。
分単位で新製品が生まれ、
月単位で製品のバージョンアップが進む
この時代に、白いたいやきのブランドの灯は
何年持つだろう。
ただ1店、この場所にしかない店であれば
仮に3年で閉店しても、伝説になったろうに。
白いたいやき屋、ではなかった。
白いたいやきグループ福知山店、だった。
ならば、白い、は外した方がいい。
そのうち、抹茶の緑やいちごの赤とか
プレーンの黄、とか出してくるに違いないから。
白い幻滅だ。はじめてだ。
過去、白い○○で夢を壊されたことはない。
僕の中にはまだ、12歳の少年が棲んでいた。
それも否めない事実だった。
