銀座の『ブラッスリー・ポールボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
三種類目のワインは、ロワールの赤。
ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴのテール・ショード、ソミュール・シャンピニー、2011年。
今や有名ドメーヌとなったロッシュ・ヌーヴ。
ビオディナミの自然と向き合う農法を実践し、白はシュナン・ブラン、赤はカベルネ・フランでのワイン造りを行っている。
彼女はカベルネ・フラン100%のワインは苦手だ。
でもロッシュ・ヌーヴのワインは果実味がしっかりとしていて、青臭さも無く美味い。
樹齢35~45年のぶどうを手摘みし、コンクリートタンクで発酵後に大樽と小樽に分け、澱と共に熟成させているのだそうだ。
合わせる肉料理は、牛肉のソテー、黒胡椒とプラムの香る赤ワインソース、プティ・ポワのピューレと春野菜のジャルディニエール。
野菜で覆われて見えないが、柔らかく脂身の無い牛肉が美味い。
ここのバケットは美味しいので、ついついお代わりをして食べてしまう。
ソースをふき取って食べるだけでも、何切れもお腹に入ってしまうのだ。
ロゼス、タウニー。
熟成を経たポルトは美味い。
私が初めてポルトの素晴らしさに触れたのは、ウイーンのブリストル・ホテルのバーでのこと。
ヴィンテージ・ポルトの素晴らしさに心奪われ、高価なポルトを何種類も試してみた。
その時は普通の部屋がいっぱいになっており、最上階のオペラ座を見渡すことが出来るスイートルームに宿泊していたので、気持ちが大きくなっていたのかもしれない。
私がポルトを好きであることを知っているソムリエが、多めに注いでくれる。
そして空になったグラスを再び満たしてくれた。
さらに、強いので半分だけにするという彼女のグラスまで引き受け。
クレマン、白、赤と何杯も飲んだあとのポルトはやはり堪える。
とても美味いが、いっぺんに酔いが回ってしまった。
今夜のデセールは、プラリネ風味のエクレールとショコラのアイスクリーム。
お腹はいっぱいでも飲み過ぎでも、デセールは別腹。
美味しく完食。
自分で選ぶと好きなワインに片寄ってしまう。
だからソムリエの選択に任せるのも勉強になって楽しい。
銀座の『ブラッスリー・ポールボキューズ』で彼女と過ごす、素敵な夜でした。