米国から友人が来た。
彼は鮨が好物である。
そして、ワインがわかる。
早速、『琴』(六本木)に電話し、カウンター席を二つ確保する。
帝国ホテルのレセプションで待ち合わせ、車に乗ると六本木交差点にある店に向かう。
歓迎のシャンパーニュは、ペリエ・ジュエ、ベル・エポック、2000年。
ベル・エポックは、店のワイン・リストには掲載されていない。
私の好みを知っている店長が、何も言わなくても準備しておいてくれる。
ヤリイカにヒラメ、そして寒ブリの大トロがすこぶる美味い。
白子の炙りもとろけるよう。
ねぎま、つぶ貝、あなごの肝の串焼きもしゃれている。
友人は大好きな和食に大喜び。
口直しにもろきゅう。
板さんの包丁さばきに友人は感心しきり。
一本は味噌、もう一本は味噌にサメの軟骨が混ぜられており、歯ごたえが心地よい。
二本目は、やはりオーストラリアのシャンドン、ピノ・ノワール、2008年。
オーパス・ワンもニュートン、カベルネ・ソーヴィニヨン・アン・フィルタードもあるが、米国から来た友人にカリフォルニア・ワインを出しても仕方がない。
それに、カベルネは鮨には強すぎる。
この選択に、友人も満足そう。
寒ブリの焼き物は脂がたっぷりと乗っており、ピノとの絡みがとても良い。
アン肝とのマリアージュも絶妙。
やはり、好みを理解してくれている店は、居心地が良い。
鮨は、脂の乗った鯖も、金目鯛も、そして赤貝や帆立も最高に美味い。
彼女も一緒なら、と思わなくもないが、今夜は友人との仕事の相談もあったのでそうはいかない。
ともかく、お店の協力のお陰で友人の絶賛を浴び、大成功の夜となりました。