今夜は、「日韓伝統音楽交流、共に響く、明日への調べ」を聴きに行きました。
POSCOと新日鉄の共催で紀尾井ホールで開催されたこの音楽会は、パンソリ等の主として韓国伝統音楽を紹介するものでしたが、予想も期待も大きく超える、素晴らしい内容でした。不況により、企業による文化的活動が減退する中で、今夜の企画は高く評価できます。
ということで、大いに盛り上がった気分を抱えたまま紀尾井町から弁慶橋に下り、赤坂の街に足を踏み入れた時はお腹がペコペコ。そう言えば、ペコペコとはお腹が空いたという意味の韓国語、”ペガ(お腹が) コッパヨ(空いた)”がなまってペコペコになったのだと思いだしながら、何を食べながらワインを飲むべきか頭はフル回転。そして選んだのが、何と”ちゃんこ料理”でした。
果たしてちゃんこでワインは飲めるのか?
そうです。美味しく飲めるのです!
急いで向かった『まき田 赤坂』は、良質な材料と、自然な出汁を大切にし、余計な味付けをしていないので、和食でもワインに、特にフランス・ワインに良く合うのです。でも、ちゃんこ料理を看板にした店で、ワインが揃ったところは少ないですね。ここは女将がワインにも気を配り、私にとっては赤坂のオアシスとなっているのです。
早速シャンパーニュ、ペルトワ・モリゼ・グラン・クリュのコルクを勢いよく抜き、喉を潤せば気分はもう天国。コンサートの評価、楽器の歴史に関して意見を述べながらグラスを傾け続け、あっという間にボトルは空。
もう時間は遅く、長居をして良いものかと考えを巡らせながら頼んだ二本目は、マルキ・ド・カロン、2006年。ボルドー、サンテステフの、ハートのマークで有名なシャトー・カロン・セギュールのセコンド・レーベルである。
和食には、普段はピノ・ノワールを合わせている。まき田にも、ロバート・モンダヴィの良いピノが置いてあるが、今夜の気分は強いカベルネ・ソーヴィニヨンを求め、フランス・ワインを求めていたのです。
田崎真也さんの著作に、『うなぎでワインが飲めますか?』という本があり、日本そば、うなぎ、松茸等、色々な料理と食材について、ワインの合わせ方を書かれていますが、ちゃんこについての記載はありません。何故なら、ちゃんこはワインに良く合い、この本の趣旨に合わないからです。
もうすぐ冬。たまには趣向を変えて、大事な人とちゃんこでワインも良いものですよ。