昨日は京都市交響楽団の第689回定期演奏会(おや? 私は小林さんか?)←(楽屋オチ)

指揮はオランダのヤン・ヴィレム・デ・フリーント(今年から京響の主席客演指揮者)、ピアノ独奏はクロアチア出身でオランダ在住のデヤン・ラツィック。

プログラムは前半がベートーヴェンのピアノ協奏曲4番、後半がシューベルトの交響曲1番。

私はコンサートの感想は滅多に書かないのだが、今回は後半が珍しいので書いてしまった。

デ・フリーント氏のこだわりなのか、オーケストラは人数も配置も昔のスタイル。舞台の後方はガラーンとしていて余裕だらけ。しかしまあ、古典配置のオーケストラはヴィジュアル的には楽しかった。

 

前半の協奏曲は弱音の綺麗なピアノとオーケストラの優しい演奏に包み込まれるような良い気分だったが、ホールの後ろの方の人たちはしっかりと聞こえていたか心配になる。第二楽章では弦の音が急にぶ厚くなったので驚いた。全体的には指揮者もピアニストもオーケストラもぴったりと息の合った快演だった。(ピアノのアンコールはショスタコーヴィチの「3つの幻想的舞曲」から第1番・行進曲)

 

後半のシューベルトは交響曲1番。このようなプログラムをよくやったと思う。決して圧倒されるような演奏ではなかったのだが、19世紀初期というのはこんな時代だったのだなあと納得してしまった。自動車も飛行機も無かったわけだし。でも、こういうのを好まない人は「ぬるま湯に浸かっているようだ」と言うかもしれない。しかし私は聴くというより、音の流れに身を任せていた。気持ちの良いものである。(アンコールはモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」から第3楽章)

 

余談だが、今回は本番前に指揮者によるプレトークがあり、デ・フリーント氏はオランダではテレビ出演もよくされているらしく、雄弁な方であった。時には擬音も入れて軽快に喋るため、部分的に通訳泣かせの場面もあって面白かったのだが、放っておいたらそのまま話し続けて演奏時間に食い込んでいたかもしれない。^^

 

それにしても今回のプログラムでお客さんの入りはどうなるかと思っていたのだが、三階席に空席が目立ったものの、一階、二階はほぼ満員に近く、S席指定の所は満席状態だった。暖かい拍手に包まれて指揮者も満足していたに違いない。

ちなみに松井孝治市長も聴きに来ていた。ええこっちゃ、と思う。