2ヶ月後のありさま | ダディとマミィと子供たち

ダディとマミィと子供たち

~エチオピア人と国際結婚遠距離生活
家族の日常とエチオピア話・国際結婚あれこれを短編で書き綴る~

かれこれ10年前、コンビニにでも行くかのようにエチオピアに行った時の話

夫は仕事に行き私は1人家でグータラして暇を持て余していた
1人家で過ごす私を心配して夫の兄弟達が代わる代わる遊びに来てくれた
そのうちに末っ子のヨナスは朝8:30になると学校に通うかのように来る
ビーーーーー!!
チャイムが鳴る
大家さん宅のサルバント(エチオピアはRをまんま発音する)が門を開ける
現る!ヨナス16歳
発見!!まんまとタイピングし変換したらと変換された!
ヨナスは日本の話に興味津々で特にカラオケに食いついていた
私は辞書片手にヨナスと遊んだ

私とヨナスに一時流行った遊びは
チュッパチャプスを絶対に噛まずに早く舐め終わった方が勝ちゲーム
という非常にシンプルであり、言葉を交わさずにして爆笑まで持って行ける、アンド闘争心に火をつけるという暇人2人のアホゲームだった
スタートは暗黙のルールで、どちらかがテーブルの上のチュッパチャプスに手をやると開始である
フィルムに手こずると最悪だ
単純に”出遅れ”である
これでもかってほどにくっついているものがある
しかしどのアメを選ぶかも勝負なのだ
剥いたら後はひたすら舐める
指先で棒をくるくる回転させながら、しまいには両手で火起こしのように回転させる
互いに無言
しかし勝負中、互いに見るものも無いので互いの舐めっぷりを見ることになる
そして大体が引き分けだった

こうしたコミニュケーションを通じとっても仲良しになったヨナスに、私は1度だけブチギレて泣いた時があった

2ヶ月が過ぎ、私は日本を欲していた
TVを点けてもアムハラ語でちっとも面白くない
持ってきた小説も読み終えた
私は何日も何時間も和英・英和辞典を読んで読んで読みまくった
辞書に書いてある文字を見るとリラックスできた
そのうちに日本から送られてきた物資(カレー粉・インスタントラーメン・お菓子・醤油)なんかの裏に書いてある材料まで読んで安心していた

そんなあるとき庭でチョコベビーサイズの入れ物を発見し、あることを思いついた
アリの観察であった
ダディーとマミーと子供たち
私はケースに80%程、庭の土や砂を入れ
アリを11匹入れた
そして倒れないように気をつけてテーブルに置き観察した
砂の粒を持ち上げて巣作りが始まり、周りも徐々に加勢して巣が出来始めていた
ご褒美に砂糖やら菓子くずを与え飼育して3日目の午後
ビーーーーーーー!!
ヨナスが来た
来るなり何にも言わずヨナスがテーブルの上のケースを持ち上げ顔に近づけ、見て、
シャカシャカシャカシャカ!!
シェイクしたのである

「やめて~!!」
奪い取り確認すると砂の下のほうに生き埋めにされていたり、既にダメだったりで出来つつあった巣が跡形もなく消えていた

直後、夫が帰宅し、私は泣いて怒りに怒って夫に言いつけ寝室に行き鼻息を荒くしていた

夫に怒られたヨナス
けれど寝室で聞き耳を立てて聞いていた私の耳に聞こえたのは夫とヨナスの爆笑の笑い声だった

あれごときで泣くとは海外生活で精神的にダメになっていたのだろう

私は日本が大好きだ
2ヶ月離れれば辞書を読み、食品の裏書を読み
精神的に参ってきて
アリのことで怒りに怒り泣くのだ

私は日本が
大好きなのだ!


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