とあるBarにて…。
奴「分かった分かった。仕方なしに聞いたるから話せ」
俺「簡単に言うと…。若手とベテランの溝が深くなりました」
奴「了解。さて、何飲む?」
俺「待て待て。今始まった所や。何で終わりみたいな雰囲気になってんねん」
奴「ん?まだあるんか?今の起承転結の『結』やったやん。2週目があるんか?」
俺「『起承転』がまだやろ」
奴「なんやねん。アンチクライマックス法かよ。メンドクサイな」
俺「アンチクライマックス?」
奴「知らんのか?」

奴「普通に順を追って話していき、最後に結論を述べるのが『クライマックス法』や。『アンチクライマックス法』は逆。先に結論を述べてから、説明を足していく」
俺「なら、ええやん。アンチクライマックス法でも」

奴「アホか。使い分けろ。アンチクライマックス法は相手が準備出来てない時とか、興味を向けさせる時に使うんや。選挙の演説とかドラマの『相棒』とかな。今は俺は話を聞く準備が出来てるから普通にクライマックス法で話せ。じゃないと、変な先入観を与える事になるぞ。ま、俺は俯瞰して見るし聞くから問題ないけど」
俺「なら、ええやん。というか、『メンドクサイ』を連呼してたやん。なおさら、ええやん」
奴「結論ありきで話されたら面白くないやろ」

俺「いつも『俺は忙しい。結論、結果から言え』って言うやん」
奴「いつもは…やろ?周り見てみろ。店の中、客はお前一人やろ。お前の話が終わったら暇になるやろ。結果は予想できるけど、俺の暇が潰れるように話せ」
俺「それは………知らんがな…」

奴「で?ノロでリタイアしていたベテラン勢が踏ん張った若手の大変さも知らず、復帰早々ネチネチ小言ババアになってんのやろ?ついでに『ノロで死にそうやった』とか言いながら、自分の方が大変やったって不幸自慢しとんのやろ?」
俺「知ってんの?」
奴「想像できるって言ったやろ」
俺「話し終わりそうやけど」
奴「お前な~。暇になるやんけ」
俺「何で俺のせいやねん!」