仕事帰りにスーパーに寄り、カレーとハンバーグの材料を調達。

そのまま事務Sさんの家へ。

 

事務Sさんの家は、とあるマンションの4階。築2年との事で綺麗なマンションだ。部屋自体は俺の部屋より狭いが駅が近く、生活用品は商店街で完結する為、はっきり言って車はいらない。

しかし彼女の愛車はジムニー。ジムニー×スレンダー美人…。絵になり過ぎやろ…。しかも、仕事も出来る。

世の中、皆平等…だと?誰が言った?

世の中には二物も三物も与えられた人間は必ずいる。平等などと言っている人間は、そうやって自分を慰めているだけだ。

 

はっきり言おう。

世の中は不平等だ。

ジムニー×スレンダー美人と人外で変態×軽トラが、なぜ釣り合う?

世の中は不公平だ。

 

家賃はまずまず高め。それもそのはず…。

驚く事にサウナがある…。

サウナ付きの物件なんて初めて見たわ。

 

俺「おい(奴)。嘘やろ?サウナがあるぞ」

奴「知ってるか?この部屋、俺の部屋から望遠鏡で見えるんやぞ」

俺「おい。そんなん、どうでもよ………くない!犯罪者か!?」

奴「勘違いするな。俺は見てないぞ。見たのはSな」

S「そうなんですよ」

俺「は?」

S「(奴)さんが『多分見える』って言って望遠鏡持ってきてくれて」

俺「で、予想通り見えたわけね…。まさかの覗きはこっちやったか…」

S「でも、窓越しの日本人形が怖すぎて…、軽くトラウマです。なぜか目が合ったんです…」

俺「…。(凛子さん…。容赦ないな…)」

 

俺「お前ら…。知らないようだから教えといてやるけど…。望遠鏡は星を見る道具やからな。それと、俺はサウナの感動の下りをやり直したいんやけど。ええか?」

 

奴「ええで。もう一回、初めて見た感じでやってくれ」

俺「やりにくいわ!」