俺 「で、メンドクサイので単刀直入で質問ですけど『参謀』って何ですか?」

部長「相談役!」

俺 「はい?」

奴 「おい。エスパーしろよ」

俺 「やめろ、そのくだり。話が進まへんねん。で、『エスパーする』って動詞なんか?初めて聞くぞ」

 

部長「会議って水曜日が多いやろ?明日は管理会議やし。来週は職責会議やし。再来週は主任会議やし」

俺 「確かに。先週の教育会議はいらっしゃられませんでしたけどね」

部長「だって面接が重なったんだもん。一杯おごるから許して」

奴 「じゃ、シンデレラで」

俺 「可愛いな、おい」

 

部長「会議前にはレジメが廻ってきてるから、だいたいの内容が分かるやろ?だから、それについての助言役」

俺 「(奴)が?」

部長「そう。だから相談役」

俺 「もしかして…。(奴)に役職が就かないのって…?」

部長「私の参謀長やから。師長や主任になられたら相談しにくいやん」

 

俺 「毎回毎回(奴)の役職の話が消えるのって…」

部長「私が部長権限で全て却下してます」

俺 「嘘やん…。(ずっと…おかしいとは思ってたけど…。闇が深すぎへん…?)」

部長「あんたも知ってしまったから共犯ね」

俺 「出会い頭事故が過ぎるッス」

 

部長「あんたも恩恵あるやろ?」

俺 「え?」

部長「管理者上層部しか知らん情報聞いてるやろ?」

俺 「確かに…。なんで知ってんねんって事も聞きますけど」

部長「やろ?」

奴 「心配なく。ちゃんと口止めはしてます。元々コイツ、口固いんで」

俺 「そういう事か…。今までの疑問が一気に解決しましたわ…。つまり…表向きは平社員で、裏では看護部の実質ナンバー2って事ですよね?」

部長「そんな感じ。一応、私からも口止めしとくけど、バラしたら施設に飛ばすからね」

俺 「…。それ…。『口止め』じゃなくて『口封じ』やん…。(闇が深すぎた…。もれなくメガトン級のパワハラも付いてきたし…)」

 

奴 「どうした?解決してスッキリしたやろ?」

俺 「シンデレラの選択は完全にミスった。酒がいる」

奴 「前に言ったやろ?『世の中、見ざる聞かざるは大事やぞ』って」

 

俺 「…。おい、教えろ。エスパーの修行ってどうやんねん」