奴「おい。呼び出しや。部長から。部長室な」

俺「俺、何も悪い事してないで」

奴「それ、悪い事してる奴のセリフな」

 

(奴)と一緒に呼び出しをくらう。

まぁ、だいたいの理由は分かるが…。

 

部長「元気~?」

奴「絶好調!でわ、失礼します。お疲れ様でした」

部長「待て待て待て。ただの挨拶で呼び出す訳ないやろ。シャイボーイか」

奴「え~。忙しいんですけど。長くなります?こいつ置いていきますんで」

部長「リンゴジュースあるぞ」

奴「さぁ、聞きましょう。おい(俺)。とっとと座れ」

俺「このくだり、毎回してないか?」

部長「プロローグや」

俺「プロローグ?」

奴「序章や」

俺「分かっとるわ!そっちの『?』じゃないねん」

 

奴「Mの事でしょ?」

部長「さすが。話し早くて助かるわ。一体、何があったん?帰る時に本人に聞いても訳が分からんし。毎日連絡は取ってるけど、結果から言うと、怖がって復帰できそうにない。何が怖いのかもよく分からんままやし。変な噂は聞いたけど。と、いう事で説明ヨロシク」

 

(奴)がリンゴジュース片手に経緯を話す。

呼び出されたけど…。俺、いる?

 

ナースコール事件の一連の流れを聞き終え、部長が尋ねる。

部長「さて。どうしようか。いい案ある?」

俺「(人任せかい!)」

奴「ある」

俺「(あるんかい!)」

部長「何?」

奴「いや~、さすがにリンゴジュース1個では…。さすがに~…」

俺「(おい…。看護部長にリンゴジュースをタカる看護師なんて聞いたことないぞ)」

部長「はいよ。ちゃんと2本目あるで」

俺「(あるんかい!!何やねん、コイツら)」

奴「序章や」

俺「おい。心の声を拾うな。しかも、こっちは序章の意味が分からんままやねん」

部長「プロローグ!」

俺「………。(カオス過ぎやろ…。ここ…。マジで俺、何で呼び出されたん?)」