私の背丈の倍もある大きな両開きの扉。
そーっと音を立てないように、ゆっくりあけてみる。
中にはあの人が居るはずなのに、暗くてよく見えない。
「おじゃましま~~~す…」
『好きなときに来ていい』
とは言って貰えたものの、執務室に無言ではいるわけには行かないから、とりあえず声をかけてみたけれど、やっぱり部屋の主からは返事が無い。
しばらく入り口でじっとしていると、目が暗さに慣れてきた。
いつものごとく、漆黒の長い髪をまっすぐたらして、水晶玉を覗き込んでいる。
人が入ってきたのに、猫が紛れ込んだほどにも気にかけないその反応のなさに、最初は、嫌われて無視されているのかと怖かったけれど、そうではないことを、もう知っている。
彼の世界を邪魔しないように、そっと回り道をしながら隣に座り込む。
大きな椅子に座っているこの人のとなりの、ふかふかのカーペットの上にぺたっと座り込むのが、私の定位置。
春と初夏の間の季節、昼間の外は暑いくらいの日もあるのに、この部屋はひんやりと涼しい。
涼しいけれど、寒くはない。
やっぱり邪魔はしないように、深紫の長衣のすそをそっとつかむ。
困ったとき、疲れたとき、つらいとき。
ここに来て、ここに座って、こうするのが、私の一番のお気に入り。
---------------------------------
二次小説なるものを初めて書きました(恥)
アンジェリーク(元祖)をプレイすると、なぜかどうしてかいつも相手はクラヴィス…
いいんだけど。私は速水さんのファンなのに~~~