嘘をつけない人は美しいと思う。
つかない人も同様に。
自分の欲望に忠実で
自分の感情に実直で
他人にも嘘をつかない。
GTA5のトレバーなんて正にそんな人だと思う。
法は犯すけれど、それでも彼には彼なりの美学がある、と思う。
子供の頃、きっと彼はとても素直で、いい子だったろうな、と思う。
それが外的要因(親とか教師とか)のせいで、今のトレバーが出来上がっているんだと思う。
トレバーを殺す選択肢を選んだ時の、油まみれになりながら叫んだあの言葉は彼の絶望そのものだったのだろう、と思う。
その時の、マイケル、フランクリンは紛れもなくクソ野郎になるけれど、あれ位のクソ野郎なんて何処にでも居ると思う。
つまり、嘘をつく人。
自分の「立場」を守る為の嘘
自分を「体裁」を繕う為の嘘
自分の「心」を守る為の嘘…………
人は基本、呼吸するかの様に嘘をつく生き物だと思っている。
そして世の中は嘘の集合体で造られている。
本心、本音、全てをさらけ出していては生きてはいけない今だから、仕様が無いとも思うけれど、その仕様が無さに哀しくなる。
けれど、個人個人の本心、本音、を受け止め続けられる人はそう多くは無いとも思う。
そうやって他人から離れていく人を沢山見てきた。
それでも「嘘をつかない」という美しさを信じている私は、極力嘘はつきたくない。
でも思う、「誰かの嘘で傷つかない様にするにはどうすれば良いのだろうか?」と。
答えはまだ出ていない。
だからまだ、自分がつく嘘や他人がつく嘘に、無抵抗に殴りつけられているかのような感覚がしている。
いつか、そんなものさえ、受け流せる様な、柳の様な靱やかな心を手にしたいものです。