孤独のボードゲーム

孤独のボードゲーム

ボードゲームのこととか適当に

孤独のボードゲームレビュー

『キャントストップ』

「めちゃくちゃ久しぶりに腹が減った……いや、違う。今日は運が転がる音を聞きたかったんだ」

テーブルの上には、たった4つのダイス。
ルールは驚くほど簡単だ。4個のダイスを2組に分けて数字を作り、駒を進める。
ただ、それだけ。
……ただ、それだけなのに……


キャントストップの名が示すとおり、このゲームを遊ぶと、ダイスを振る手が止められない。
いや……ルール的には止められるが、止めたら負けとでも言わんばかりに周りから責め立てられる。
「振れっ……振れっ……!」と。

ルートは2から12の11本。
2と12は最短ルートではあるが、ダイス2つの組み合わせで最も出にくい。
逆に7は最長ルートだが最も出やすいという、ルート選びの駆け引きがすでに熱い。
誰かが先にゴールしたらそのルートは使えなくなるのだ。

手番で進められるのは3つのルートのみ。
ダイス4つの出目を2つに分けて数字を作り、いずれかのルートにポーンを進める。
最大3個のポーンを進めていき、この手番で進めているルートの出目が1つでも作れたら成功。ポーン進めてさらにダイスを振るか、そこで止めるかを選択できる。
3つのルートの出目が1つも作れなかった場合はバースト。この手番で進めた分が全部パーになる。

「ここでやめとくべきか、さらに進むか」
「もう一回だけ。」
その"もう一回"が、このゲーム最大の罠だ。
無情にも出目は裏切り、そのターンで積み上げた努力が一瞬で消える。
「あぁ……全部飛んだ。」
なのに笑ってしまう。
悔しい。
でも次は勝てる気がする。
だからサイコロを握ってしまう。

複雑なルールなし、特殊効果なし、言語依存もなし。
世界中で遊ばれているので見た目もコンポーネントも様々。








山登りをアートワークにしてるバージョンがあったり、簡易的に自作しても遊べないことはない。

「止める勇気」と「止まれない欲望」
40年以上遊ばれ続ける理由は、そのシンプルさの中に、人間の欲深さを丸ごと閉じ込めているからだ。

ごちそうさまでした。
色褪せない、本能に訴える楽しさ
シンプルイズベスト
ボードゲームはこういうのでいいんだよ。