大地が雨を吸って吐き出す、

雨上がりの匂い





その匂いを嗅ぎながら

歩くあぜ道





そこで雨の精霊は唄う






雨宿りのセレナーデ





雨降りのバラード





たしかに私は聞いたよ



目の前の景色が教えてくれる



お釈迦さまの手のひらの上だから



涙をこぼしたっていいということを




一人きりだけど

一人きりじゃない




周りに人がいるけど

一人きりのような気もする




なんだか不思議だね





寂しいなぁって思っても





それを孤独と呼ぶなんて





なんか大袈裟だと思う





そう、大袈裟なんだよ





そもそも人はみんな孤独なのだから





だからいちいち孤独だなんて

言わなくてもいい





寂しいなんて思うだけ損




さあ、青空に手を伸ばして


これでもかってくらいに

手を伸ばしたら



その手を

お釈迦さまが引っ張って

あたたかな匂いのする優しい場所で

寂しさを忘れさせてくれる




生まれてきた意味を

教えてくれる




だあれも見ていないようで



お釈迦さまは見てるんだよね



だから結局は、寂しくなんかない。