小さく丸まった空っ風が待ち伏せする垣根の曲がり角
乾いた静寂の道しるべ
虫食い落ち葉の冬支度
独りぼっちのあまのじゃく
ダイダラボッチの屈託
銀杏が散らばるひんやりした小径に伸びる家路を急ぐ影
そんなものたちを弄ぶ夕暮れ
遠くに連なる稜線は、
行き場を失った郷愁をまほろばへと誘導すると、
君の声を受け止めようと小雪を身に纏いながら、ただじっと夜の憂いに染まりゆく