エンジンをかける | british-salooncarのブログ

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エンジン始動

時代の変化に伴いエンジンのかけ方もだいぶ変化して来ました。

さて、モーリスマイナーのこの穴、ナンバープレートの裏に隠れていますが昔の名残が残っています。




セルモーターが市販車に付いてから100年以上経ちますが1960年代の電装品の性能が安定するまでは手動のクランクとセルモーター両方が用意されていました。場合によっては押しがけでエンジンをかけることも可能です。当時クランク棒を使ってエンジンをかけていた時代はエンジンを始動するだけでも一仕事、車を運転する為のセレモニーの様でした。時にはキックバックで怪我をされた方も多かったと聞きます。

 技術は進化し、現代車はエンジンかけることに何の苦労もありません。電気自動車などはエンジンをかけるという概念すらありません。電源を入れると言ったほうが正しいと思います。止まってしまうとモーターが組み込まれているので牽引することは絶対禁止と説明をうけました。バッテリーが無いと全く動かすことが出来ず、コンピューター制御なので下手に触る事が出来ない代わりに、カギを取り出す事無くポケットにでも入れておけば車はカギを認識しドアも開くしボタン一つでエンジン始動。ものの数秒でエンジンがかかります。

エンジンがかかっていればカギが無くても走行可能(警告灯は付きっぱなしですが)。でもこの便利な鍵をよく無くしてしまうんです。どこかに入れっぱなしで使いたいときに見当たらないとか、家族で使っていて持って行ってしまったなどなど。そしてスペアキーを作るにもこのカギが高い。1万数千円から車種によっては数万円以上、うっかり無くせませんね。駐車場で落としてしまえばボタン操作で車まで特定されてしまう可能性もあります。便利なのか不便なのかよく分かりません。




 製造から50年以上経っているモーリスマイナーですが驚きなのはこのカギ。シンプルな作りですがなんと製造された時のデーターが今でもしっかりと管理されています。英国の旧い物を大切に残す文化がこのカギ一つとっても伺えます。無くしてしまってもKey Noさえ覚えていればスペアキーを送ってもらえます。

 今でも新車などでカギを渡されるセレモニーはありますが、半世紀前に与えられたKey Noか今なお愛車に引き継がれている事を思うと愛着がより一層増すと思います。