関東リーグ 前期第2節
ブリオベッカ浦安 1-2 東京23FC

「平成最後の江戸川クラシコ」と銘打たれたこの試合。
ホーム開幕戦かつクラシコとあって非常に盛り上がった試合であった。

当日朝、自分は学校にいた。

教員採用試験の模試を受けるためである。
ホーム開幕戦を楽しみにしていたおれは、普通に模試を受けてくるだけでは何もおもしろくないと感じ、、
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バッグにべか彦をぶら下げた。

これまでなんやかんや学校に持って行くことはしていなかったが、これもまた布教活動と言うことで、、
電車内でも学校内でも見られる見られる。
そのうちべか彦から始まる出会いがあるかもわからないぞ笑。

模試が終わり、電車を乗り継ぎ、14時すぎには浦陸に到着。
キッチンカーが6店出店し、試合開始の1時間以上前だというのに盛り上がりを見せている。

声出しサポーターの方と合流し、試合前の様子と応援の方針についての伝達を受ける。
まあとにかく楽しい雰囲気を作っていきましょう、的な内容だ。

会場に着いたらまず食事。ということで、、
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全種類制覇はできなかったが、もうこの時点で目的の30%位は達成したといえる。
お前は飲みに来たのか?といわれるような食べ物のチョイスには目を瞑って貰いたい笑。

食事が終われば一息つきたいのが人間。ということで、、
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カフェラテで一服。
べか彦のラテアートがかわいいのなんの。
これをほんの1分足らずで描きあげるのだからすごいのひとこと。
動画を撮っていたんだが、見返してみると「すげえ」としか言ってなかった笑。

そんな中、試合が始まる。ああそうだった。メインは試合だったな笑。
スタメンは以下の通り。
GK 南
DF 酢崎 笠松 石井
MF 丸山 橋本 村田 植田
FW 幡野 菊島 田宮

リザーブ GK 山田 DF 長田, セイジ MF 小林, 臼井 FW 竹中, 小島

前節からの変更は小島⇒菊島。
小島は後半途中から入れてかき回すのもありだと思っていたので、この起用は想定済みだった。

前節の流経大戦で見せた動きはどこへやら。動きがとにかく固い。
序盤からミスの連発で、4分に失点を食らう。もはやお家芸だな、、

失点してから打開しようという動きが見え始めるが、17分に橋本が危険なタックルという判定を食らい一発レッドで退場。 
イエローは妥当だと思ったが、レッドは少々厳しい判定。
KSL公式の中継の実況席も驚いていたし、客席もどよめいた。

とにかく不運に次ぐ不運。
悪魔に魅入られたような不運の連続。
選手たちも明らかに落胆しているのがわかった。
サポーターもテンションが落ちた。これは自分の至らないところだったな、、

橋本が退場したことでシステムは大きく変更。
GK 南
DF 笠松 酢崎 石井 植田
MF 丸山 幡野 村田 菊島
FW 田宮
このような布陣となった。

とにかくこの状況を打開するにはサポーターからどうにかしないといけない。
極力コールを途切れさせないようにするために「チームコール」「浦安コール」を次々にかけていく。
相手陣内に侵入すれば「ビルドアップ」、カウンターを食らいそうになると「ディフェンスコール」。

しかし0-1で迎えた前半アディショナルタイム。
相手が浦安陣内に侵入。
一人少なく、肉体的・精神的に疲労していた浦安。
ぽっかりとオープンスペースを作ってしまった。
すかさず23はそのスペースをつき、ボレーをたたき込まれる。
1点差で終わらせられれば、、と思っていただけに結構きつい失点だった。

ハーフタイムにはバックスタンドのサポーターは応援についての相談。
とはいえ、もはや決まった答えしかなかった。

開き直って「カモン浦安」をやるしかない。

後半頭から小島を投入。
GK 南
DF 笠松 酢崎 石井
MF 丸山 幡野 村田 菊島
FW 田宮 小島
といった形に。

サポーターはとにかくひたすら「カモン浦安」をやり続ける。
某関東リーグチームのサポーターの方がコルリを引き受けてくれ、うまく煽ってくれる。
子どもたちが少しずつ声を出し始める。
大人たちが少しずつ手拍子してくれる。
雰囲気が変わってきたぞ、、

後半16分。高い位置でボールを奪ってカウンター。
幡野がドリブルで持ち込み、小島へ。
小島がきっちり決めて1点差とする。

盛り上がるスタンド。
エレクトリカルパレードは子どもたちから発せられた。嬉しいことだ。

おれはここで子どもたちにこういった。
「みんなの声が届いたぞ!もっと声出せ!同点にするぞ!」

浦安の応援スタイル的に言えば、この発言はNGに近い。
応援の強制はしないというコンセプトでやっているから。
しかし、子どもたちは明らかに「カモン浦安」を楽しんでいる。待っている。
邦ロックファン向けに言えばアジカンの「リライト」。
洋ロックファン向けに言えばOasisの「Don't Look Back In Anger」。
そういうアンセム的なチャントになっている。
それならば、おれはその気持ちに応えなきゃいけない。
それが大人として、子どもたちに応援に参加して貰った恩返しであるはずだから。

完全に押せ押せムードの浦陸。
気がつけば太鼓を叩くおれの周りにはもっとたくさんの子どもたちが集まっていた。
休憩したい気持ちをこらえ、完全に飛んだ喉から声を絞り出し、ただひたすら太鼓を叩き続けた。

ピッチ上で選手たちはその気持ちに応えようと、同点ゴールを目指して超パワープレーに転じていた。
あの時の浦陸は5部リーグの試合ではなかった。

あの場にいたすべての人が「江戸川クラシコ」だとか「ホーム開幕戦」だとか「1点差で負けていること」など、そんなことを考えていなかった。
ただ一つのボールの行方を追い、ワンプレーワンプレーに感情をぶつけ、目の前で行われているサッカーの試合に心を熱くさせているだけだった。

後半アディショナルタイム。猛攻を強めていた浦安が相手ゴール前でビッグチャンス。
これが無情にもポストに。
会場全体が悔しがる。それだけ試合に熱くなり、本気で浦安を応援していた証だ。

試合はこのまま1-2で終了。
75分以上10人で戦った浦安。
一人少ない中あと一歩まで迫った。

挨拶に来た選手たちは悔しさをにじませ、中には下を向く選手も。
おれは「10人でよく1点返した!次だ次!下向くな!」と言おうとした。そのとき。

子どもたちが「カモン浦安」を歌い始めた。

何故このタイミングで?とはじめは思った。
しかしそれは子どもたちの選手たちへの答えだった。
選手たちがピッチ上で見せてくれた闘志に対する答え。
大人たちは子どもたちから発せられた「カモン浦安」を一緒に歌った。

この瞬間、おれはこの試合の応援はやりきったと心から感じることができた。
試合に負けた悔しさ以上に、嬉しさと楽しさがこみ上げてきた。

興奮冷めやらぬ中、ふと自分の手元を見ると、、
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痛みというのは不思議なもので、意識しないと感じないもの。
これが目に入った瞬間に痛みがにじんできた。

試合後、子どもたちを見送り、サポーター同士で挨拶を交わす。
あるサポーターからは「すごい雰囲気だった」と感想を貰い。
メインスタンドにいたサポーターからも、ボランティアスタッフからも同様の感想がもらえた。

おれは今回のこの雰囲気を作れたのはすべて子どもたちのおかげだと思っている。
中にはおれたちサポーターのことをたたえてくれる人もいるけど、それは違う。
おれたちだけではあの雰囲気は絶対に出せない。
子どもたちが楽しそうにニコニコ応援してくれたからこそできた。

ブリオベッカ浦安公式HPの試合レポートに素晴らしい子どもたちの応援風景の写真があるので是非見てほしい。(顔も写っているので、ここに貼るのは控える)

子どもたちにとって、サッカー選手への夢や憧れはカテゴリー関係ない。
子どもたちにとっては5部リーグの選手でも憧れのサッカー選手なのだ。
浦安の選手たちはこの子どもたちの応援を忘れないでほしい。
選手としていろいろな個人の夢を持っていると思うが、それ以前に自分たちが子どもたちに夢を与えている存在であるということを忘れないでほしい。
つねに、子どもたちの夢であり続けるサッカー選手であってほしい。

おれが今回言いたいのはこれだけ。

5部リーグでも子どもたちに夢を与える。