直前☆出題予想シリーズ改正民法編③(債権各論) | 合格への道のり("3つの道"編)

合格への道のり("3つの道"編)

これまで20年以上勤務した国家公務員を辞職し、2022年12月からは受験生、実務家(士業)及び講師の3つの道を歩みますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。

皆さん、こんにちは。

リーダーズ総合研究所・講師の板野です。

 

15日(日)は宅地建物取引士試験の試験日でした。

私のSNSフォロワーさんの中にもたくさん受験された方がいらっしゃいましたが、2時間を懸命に戦い抜いて相当お疲れのことだろうと思います。宅地建物取引士試験は法律系資格の登竜門的試験なので次の資格試験に向けてステップUPされる方も多いと思いますが、そのためにもまずはしっかり身体を休めて下さいね。

 

思えば、私の"受験生の道"はここから始まりました。

私が受験した2015年は名称が宅地建物取引士(いわゆる「士業」)に変更となって最初の試験の実施年で、合格基準点は31点/50点満点でした。ここ数年では最も合格点の低い年度のようですが、運よく、しかも50点満点で合格することができ、このまま受験生の道を突き進むこととなりますが・・・、

 

ここに大きな落とし穴(勘違い)があって、2019年に行政書士試験を受験し、何とか合格できたものの、この時に勉強法を確立することの重要性を痛感し、師匠・山田斉明先生の下で勉強法【技】を学んできたわけです。

 

そして、2022年度司法書士試験に合格することができました。

このような経験を踏まえれば、受験には、

①勉強法の確立【技】

②モチベーション(学習意欲)【心】

③受験体力【体】、の3つが重要だと考えるに至りました。

 

さて、今回は出題予想シリーズ「改正民法編」第3弾です。

債権総論に続いて改正論点が目白押しの分野ですが、債権総論と異なり知識だけで解ける分野でもあって本試験では取りこぼしができないので、今回もしっかり勉強していきましょう!

 

改正民法第3弾債権各論編

 

  改正民法「債権各論」に係る出題の特徴

(傾向)

 改正民法(債権編)施行以降、契約総論(①~⑤)及び売買、賃貸借からの出題が目立っている。

 なお、②中、「第三者のためにする契約」は令和元年度に記述式問題で出題されており、他資格でも頻出の論田なので、行政書士試験での出題も予想される。

 

  最近の民法改正(債権各論関係を抜粋)

2.債権各論

(1)契約の成立(521条~532条関係)

(出題実績)

・令和3年度行政書士試験問題27肢3

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第22問肢ア・イ・エ

・令和5年司法試験問題[民法]第2問肢エ

 

(2)契約の効力(533条~539条関係)

①危険負担

(出題実績)

・令和3年度行政書士試験問題33肢ア

・令和4年度行政書士試験問題30肢4・5

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第15問肢エ

・令和5年司法試験問題[民法]第26問肢イ

②第三者のためにする契約

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第23問肢エ・オ

・令和4年司法試験予備試験問題[民法]第10問イ・エ

・令和4年度司法書士試験問題(午前の部)第17問肢ア・エ

・令和5年司法試験問題[民法]第1問肢ア

 

③契約上の地位の移転(539条の2関係)

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第23問肢ウ

 

(4)契約の解除(540条~548条関係)

(出題実績)

・令和4年度行政書士試験問題30肢5

・令和4年度行政書士試験問題31肢3以外

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第24問肢エ

・令和2年司法試験予備試験問題[民法]第10問肢ア以外

・令和3年司法試験問題[民法]第22問肢エ以外

・令和3年司法試験問題[民法]第23問肢イ

・令和5年司法試験問題[民法]第24問肢イ・ウ

 

(5)定型約款(548条の2~548条の4関係)

(他資格での出題実績)

・令和2年度司法書士試験問題(午前の部)第17問全肢

・令和3年司法試験問題[民法]第16問肢ウ

 

(6)贈与(549条~551条関係)

(他資格での出題実績)

・令和3年司法試験問題[民法]第24問肢イ・ウ

・令和3年司法試験問題[民法]第37問肢ウ

 

(7)売買(557条~585条関係)

①手付

(他資格での出題実績)

・令和2年度司法書士試験問題(午前の部)第18問肢ア・イ

・令和3年司法試験問題[民法]第24問肢ア以外

 

②他人の権利の売買

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第24問肢ア・イ

③売主の担保責任【優先順位1】

(出題実績)

・令和3年度行政書士試験問題33肢ア以外

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第24問肢ウ

・令和3年度司法書士試験問題(午前の部)第19問肢イ・エ・オ

・令和3年司法試験問題[民法]第23問全肢

・令和5年司法試験問題[民法]第25問全肢

 

(出題予想問題)

 ⇒ 令和3年司法試験問題[民法]第23問

 

 

(8)消費貸借(587条~592条関係)

(出題実績)

・令和4年度行政書士試験問題33肢1

(他資格での出題実績)

・令和2年度司法書士試験問題(午前の部)第19問肢エ以外

・令和3年司法試験問題[民法]第37問肢エ

・令和4年司法試験問題[民法]第25問肢ア以外

 

(9)使用貸借(593条~600条関係)

(他資格での出題実績)

・令和3年司法試験問題[民法]第25問肢イ・エ・オ

・令和4年司法試験問題[民法]第23問肢ア

・令和4年司法試験問題[民法]第33問肢イ

・令和4年度司法書士試験問題(午前の部)第18問肢ア・エ・オ

 

(10)賃貸借(601条~622条の2関係)

①賃貸人たる地位の移転

(出題実績)

・令和2年度行政書士試験問題33肢1・3・5

・令和4年度行政書士試験問題32肢4以外

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第25問全肢

・令和3年司法試験問題[民法]第26問全肢

・令和3年度司法書士試験問題(午前の部)第19問肢エ以外

・令和4年司法試験問題[民法]第26問肢イ・ウ・エ

・令和5年司法試験問題[民法]第27問肢エ

 

(11)雇用(623条~631条関係)

 

(12)請負(632条~642条関係)

(他資格での出題実績)

・令和5年度司法書士試験問題(午前の部)第18問肢ウ・エ・オ

 

(13)委任(643条~656条関係)【優先順位2】

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第26問肢ア

・令和4年司法試験問題[民法]第27問肢ア・イ・ウ

・令和5年司法試験問題[民法]第26問肢ウ

・令和5年司法試験問題[民法]第28問肢オ

・令和5年度司法書士試験問題(午前の部)第19問肢ア・エ

 

(出題予想問題)

 ⇒ 令和4年司法試験問題[民法]第27問

 

 

(14)寄託(657条~666条関係)

(他資格での出題実績)

・令和3年司法試験問題[民法]第27問肢エ以外

・令和3年司法試験問題[民法]第37問肢オ

・令和4年司法試験問題[民法]第23問肢オ

・令和4年司法試験問題[民法]第36問肢エ

 

(15)組合(667条~688条関係)

(他資格での出題実績)

・令和2年司法試験問題[民法]第27問肢ア・イ・エ

・令和3年司法試験問題[民法]第28問肢イ・ウ・オ

・令和5年司法試験問題[民法]第26問肢オ

 

  他資格の問題にチャレンジ!

 令和3年司法試験問題

〔問題23〕

 AB間の売買契約において,売主Aが買主Bに対して引き渡した目的物の数量が不足しており,契約の内容に適合しない場合の買主Bの権利に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

ア.数量の不足がABいずれの責めにも帰することができない事由によって生じた場合,BはAB間の売買契約を解除することができない。(564条)【改正論点】

イ.数量の不足がBの責めに帰すべき事由によって生じた場合,BはAB間の売買契約を解除することができない。(543条、564条)【改正論点】

ウ.数量の不足がBの責めに帰すべき事由によって生じた場合,不足分の引渡しが可能であっても,Bは不足分の引渡しを請求することができない。(562条2項)【改正論点】

エ.不足分の引渡しが可能であり,Aがその引渡しを申し出た場合であっても,Bは,その申出を拒んで直ちに代金の減額を請求することができる。(563条1項)【改正論点】

オ.Bが数量の不足を知った時から1年以内にその旨をAに通知しない場合には,Aが引渡しの時に数量の不足を知り又は重大な過失によって知らなかったときを除き,Bは損害賠償の請求をすることができない。(566条)【改正論点】

 

 1.アウ   2.アエ   3.イウ   4.イオ   5.エオ

 

(解法のポイント)

●肢ア・オの正誤判断で解答できる問題

⇒ 肢アを×と判断した時点で正解肢は「3」「4」「5」に絞られ、肢オが×と判断できるので、正解肢を「3」と選択できる

●肢ウは買主に帰責事由があるケースで、少し迷った受験生が多いかもしれません。

正解:3

 

 令和4年司法試験問題

〔問題27〕

 委任に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。

ア.当事者が委任事務の履行による成果に対して報酬の支払を約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、委任者は、その成果の引渡しと同時に報酬を支払わなければならない。(648条の2)【改正論点】

イ.受任者は、やむを得ない事由がなくても、委任者の許諾を得ることなく復受任者を選任することができる。(644条の2第1項)【改正論点】

ウ.委任者は、受任者に不利な時期には、委任を解除することができない。(651条1項)

エ.受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。(650条1項)

オ.委任の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。(652条、620条)

 

 1.アウ   2.アエ   3.イウ   4.イオ   5.エオ

 

(解法のポイント)

●肢イ・ウの正誤判断で解答できる問題

⇒ 肢イを×と判断した時点で正解肢は「3」「4」に絞られ、肢ウが×と判断できるので、正解肢を「3」と選択できる(私は最も短文の肢5から検討しましたが、結果として3つの肢を検討する羽目になりました)

●これまでの行政書士試験では事務管理との比較の問題として3回ほど出題されているが、委任についての重要な改正論点も多いので、委任単体で出題される可能性も高いと思われる

正解:3