桜三里。言わずと知れた中予と東予を結ぶ約9キロの緩やかな峠です。高速が出来る前はここしか道がなかった。時代は流れて道沿いの飲食店もどんど撤退。時間の流れを感じます。
ここをはじめて通ったのは18歳のとき。受験のため親の車ではじめて松山の地を踏んだあの日。
愛媛に住みだしてからは永く使っていただいたアルバイト先の仕事で、リーガロイヤルホテル、ユア―ズ、今はなき新居浜大丸なんかの仕事に早朝からトラックに乗せてもらって何度も往復しました。現場でのシビアな仕事運び、会社というものの性質に衝撃を受けつつ、社員の人たちに温かく思いやってもらいながらの通算6年間勤務でした。今考えても素晴らしい社会勉強でした。
社会人になってからは営業部隊なので数え切れないほどの仲間と数え切れないほど通りました。小松、丹原はもちろん西条、新居浜、三島、川之江県境までくまなくまわりつくしました。川滝で部下と連絡がとれなくなってあたふたしたり、用水路に落ちたとの連絡でダッシュで迎えに行ったり、某所でクレームに合っていると言われて救出に行ったり・・・そんな日々もここを通って目的地に向かい、そして帰ってきていました。夜空腹の部下と”ロバのパン”をどっさり買い込んで車で食べましたねえ・・。車中で泣きだすやつ、質問攻めのやつ、延々としたロールプレイング、はるか昔の事です。ここでの経験が全人格の土台です。
前職でも何の因果か四国中央の市場を渡されて開拓に。助手席にも後部座席にも誰も乗っていないことをふと感じては「ああ、今はこうして一人で行くようになったなあ・・」としみじみしながら、唯一腕に覚えのある”営業”という能力で法人開拓をしていきました。長期宿泊が多かったので金曜の夜に桜三里を通っていましたが、これまたもう4年も前の話。早いですね。
そして今、違う意味でのひとり仕事。しかし、関与先の信頼や協力先のバックアップ、いざとなったら手伝ってくれる仲間、長い歳月で辿りついた”今”は、順風満帆でなくても晴れやかで豊かな気持ちです。まあ人生は基本的に一人旅みたいなものですからね。その中でいろいろな人に出会っては過ぎていく。
向かう先があるから進んでいける。桜三里を通過する10数分は私にとって自分と向き合う大切な時間なのです。
日も短くなり、年末も迫ってきましたが、やることはまだまだたくさんある平成23年。