「男が死亡なんてやりきれない……」。北広島町の山中で島根県立大1年の平岡都さん(当時19歳)=島根県浜田市=が遺体で見つかった事件から7年あまり。発生直後に交通事故死した30代の男が事件に関与した疑いが強まり、平岡さんの恩師や知人らは複雑な心境を打ち明けた。
平岡さんの母校、香川県立高松商業高(高松市)で3年間担任だった吉田稔さん(50)は「一つの区切りを迎えそうだが、事件が解決しても平岡さんは戻ってこない。怒りは残ったままで、無念さは変わらない」と話した。平岡さんは同校英語実務科に所属し、将来は国際関係の仕事が夢だった。大学4年になるはずだった2012年の夏、平岡さんをしのんで県立大を訪れ、「勉強を続けていたら夢をかなえられたのだろうに」と悔やんだという。吉田さんは男の死亡について「真実を知りたかった。深い反省をしてもらわないと家族は無念だろう」と語った。
同校の元教頭で3年間数学を教えた横山賢治さん(61)は「まじめで勉強もこつこつ頑張り、成績も良かったのに」と声を詰まらせた。「このままうやむやになるより良いが、やりきれない。真相を語って反省し、罪を償ったら解決した意識になるが、複雑な心境だ」と話した。
平岡さんの知人で事件発生当時、島根県立大に通っていた会社員男性(28)=浜田市=は「明るい印象の人だった。時間をかけて捜査していたのに、こんな形で事件が終わるのかと思うと拍子抜けだ。どうして事件に巻き込まれたのかわからないので残念」と話した。県立大総務課の男性(53)によると、大学では行方不明になった1年後から平岡さんを追悼する花壇を設置し、月命日の26日には学長や教職員、学生が手入れをして事件を忘れないようにしてきた。男性は「ニュースで知ったばかり。大学としては警察からの連絡を待ちたい」と言葉少なだった。
県立大の元後援会長の佐古肇徳(はつよし)さん(64)は事件後、県立大周辺の街路灯を増設するために市や学生の仲介役となって学生の要望を聞いてきた。「これまで7年間、不安があった。当時、県立大2年に娘がいて、気を付けなさいと話していた。完全な解決というわけではないので、一安心とは言えない。完全な解決を待ちたい」と話した。
香川県坂出市にある平岡都さんの実家は17日午前、窓のカーテンが閉められ、ひっそりと静まりかえっていた。近くの60代の主婦は、小学生当時の平岡さんが自治会のイベント作業を手伝ってくれたことを思い出し、「可愛くて良い子だった」と振り返った。事件については「動機を詳しく知りたい。どうしてこんなことになったのか、すっきりしない」と語った。【椋田佳代、道下寛子、横井信洋、岩崎邦宏】
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