brilliant-memoriesのブログ

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Buddyさん/ドエルさん/SLAVEさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある自分がお送りするこのブログ。

アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「最近は、楽曲を立体音響スピーカーで聴くことが多くなったのですが、楽曲の空間って凄く奥行きがあって面白いですよね。様々な楽曲を聴いていく中で、イヤホンでは気づけなかった発見もあったので、非常に楽曲の分析が楽しくなっております。」

 

お疲れ様です、GWの存在をすっかり忘れていた者です。今回はVAMPSの2枚目のアルバム「BEAST」をレビューしていこうと思います。2010年、前作より1年ぶりとなるこのアルバム。前作はライブ向けの楽曲が多くあったアプローチだったのに対して、今作ではVAMPSの楽曲の幅広さを感じさせることができるアルバムだと思います。果たしてどのような世界が広がっているのでしょうか!

 

アルバム「BEAST」のポイント

 

・前作から地続きで続いている今作では、特にバラエティに飛んでいる点が大きなポイントです。VAMPSとしてのバンドサウンドが固まり、その音達を様々なアプローチで様々なジャンルにチャレンジしているという部分を強く感じることでしょう。更に、次作以降は大きな路線変更を施すことになるため、結果的に今作特有の個性にもなりました。

 

・更に今作では海外特有の録音方法を試したとのことで、日本のレコーディング方法のベースとギターの順番を入れ替えた「ドラム→ギター→ベース」という順番でレコーディングされたと言われています。その結果、コードに縛られないベースラインを生成することができ楽曲に奥行きが広がったという点も音楽理論的には深いですね。更に前作に比べるとキーボードやデジタル要素が更に多く取り入れられるようになっており、楽曲により彩りを与えている印象的です。

 

それでは参りましょう!!

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青→シングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「PLUG IN」(作曲:HYDE)

 

今回もサントラみたいなインストから始まります。スイッチ押してなにか壮大なシステムが作動していくような近未来的なOPです。

 

2.「DEVIL SIDE」(作詞:HYDE 作曲:HYDE)

 

5thシングル。4つ打ちのダンサブルなリズムとクイを使ったロックが交差する妖しくエネルギッシュなダークチューン。ダンスゾーンを変イ長調(♭4つ)でダークに決めて、サビではお得意の転調を使ってホ長調(#4つ)に変貌させるというメジャーとマイナーの調を混同させたトリックが煌めきます。更に、中盤以降ではユニゾンを使った音塊の畳みかけのようなゾーンが炸裂し、これが非常に格好いいのです。

 

歌詞は全英詞となっており、自分の中の悪魔(内に秘めた暴れる心)を解き放ち、こっちへ来いよ!と呼びかける非常にライブを意識したような内容となっております。

 

ライブでもかなり頻繁に演奏され、会場のボルテージを爆発させる定番曲としての地位を確立しているこの楽曲ですが、もし次作以降にこの「DEVIL SIDE」というタイトルの楽曲が出ていたら、更にヘヴィ性を重視していた楽曲になっていたと思います。よって、この曲の世界観はこのアルバムでしかできない特別なものだと感じるのです。そういう意味ではタイミングってかなり重要なものだと思うのですよね。

 

3.「ANGEL TRIP」(作詞:HYDE 作曲:K.A.Z)

 

6thシングル。K.A.Z作曲のナンバーでは2度目のシングル表題曲となりました。8ビートのどこか夏を感じさせる爽やかロックチューンとなっており、バンドサウンドの連携から生まれるカッコ良さを全面的に活かした世界観となっております。当時のVAMPSの楽曲の中でこの爽やかさの中を走り抜けていくアプローチは珍しいなとも感じますが、あの「GLAMOROUS SKY」の世界観を創り上げたコンビなんだと考えれば、このような世界観の表現もお手の物だよなと感じさせる世界観でもあるのです。

 

歌詞は、こちらもライブを意識したような内容となっており、共に暴れようと呼びかける内容となっております。前曲と比較するとこちらのリリックの方がストレートに呼びかけている感じがしますね。

 

個人的には、「DEVIL SIDE」と「ANGEL TRIP」のこの対になっている感じが好きなんですよね。作曲者から曲調、更にリリックも本質的な部分は同じなのですが、促し方のニュアンスもここまで対にできるのかと感じております。尚、先行シングル曲を頭に連続して配置したので、ここから先は総て新曲となります。

 

4.「MEMORIES」(作詞:HYDE 作曲:K.A.Z)

 

本作リリース後に7thシングルとしてリカットされることになります。懐かしの青春の日々を思い出させるノスタルジックなミディアムロックナンバー。曲調からは夏の景色を連想させるポップな世界観となっているのですが、回想をテーマにしたリリックが乗ることによって切なさを倍増させるというトリックが炸裂するのです。

 

歌詞は学生時代の仲間達へのメッセージとなっており、学生時代の回想をまじえつつ、最後は来世でもみんなに会いたいと叫ぶというエモさ炸裂の1曲となっています。この曲を新社会人になった今、改めて聴いたときにこのリリックに込められた真意に気づいたような感じがして胸が痛くなりましたね。

 

更にメンバーの立場になって青春を回想すると事を考えてみると今とは違う訳で。例えば自分らの世代はインスタで繋がっていたりするので、卒業してからもストーリーを見合ったりたまにDM越しでトークしたりもしますが、メンバー達の時代はそんなモノなくて卒業式が本当のお別れだったりすると思うのです。だからこそ歌詞にも出てくる「同窓会」が本当の再会の場所になっていたりするんですよね。

 

もしこのレビューを読んでくれている方で、学生の方々は是非、学生を卒業するタイミングで改めてこの曲を聴いてみて下さい。そして、いま足下にあるその青春を、広がる1日1日を大切にしてくださいね!!

 

5.「EUPHORIA」(作詞:HYDE 作曲:HYDE)

 

前作の「DEEP RED」を思い出させるループ系の世界観にHYDE曲に現れるストーリー性を重視した展開を混血(融合)させた実験性を感じる1曲。この曲はシンセやデジタル面のアプローチがかなり前に出ている印象であり、楽曲のミステリアスな側面を創り上げるのに大きく貢献しているように思います。

 

タイトルの「EUPHORIA」は多幸感という意味となっております。歌詞はおそらくエデンの園が舞台となっており、聴き手にトリップしてもらうために禁断に果実を喰らうことを促すというリリックとなっております。

 

ちなみにこの曲は後に紹介する「GET UP」がアニメ「バクマン。」の主題歌に起用された際に、KOGGY(大久保祥太郎)がキャラクターソングとして「GET UP」をカバーし、劇中歌として使用され、更にそれをCDリリースしたのですが、そのCDのカップリングにこの曲の日本語バージョンがカバーされ収録されています。

 

6.「VAMP ADDICTION」(作詞:HYDE 作曲:K.A.Z)

 

前作に引き続き「VAMPIREソング」が本作にやって参りました。ダークで荒々しい曲調にシンセの音色が交わることによってより独自な妖しさも追加されたデジロック寄りな世界観に仕上がっております。そのシンセサウンドはヘヴィなユニゾンリフにも食らいついてくるので、ユニゾンパートにも大きな変化(厚み)が現れています。このような実験性が次作以降に大きく現れる路線変更の核になっているようにも思いますね。

 

歌詞は人間を眷属にしている最中の吸血鬼目線のリリックとなっており、異種族の血が注がれて生体反応が起きている中で、抗うことができるはずも無く、そのままサディストな吸血鬼に為すがままに攻め立てられてしまうというシチュエーションとなっております。

 

7.「REVOLUTION」(作詞:HYDE 作曲:HYDE)

 

これぞまさにライブ映えを意識した1曲であり、ハンドクラップやコールアンドレスポンス等が至る所に散りばめられられた参加型の楽曲となっております。ダンサブルな世界観に乗せて更にはホーンの音色も鳴り響く陽気なサウンドワークとなっており、凱旋パレードのような世界観が広がります。

 

タイトルは「革命」という意味です。歌詞は全英詞の中で床を鳴らしてこの革命に参加し、更に「自己流の革命を起こせ」と呼びかける内容となっております。

 

8.「THE PAST」(作詞:HYDE 作曲:K.A.Z)

 

バックにプログラミングされたデジタルサウンドが鳴り響く中で、4つ打ちのダンスビートをヒューチャーした楽曲となっております。今作はダンスビートを使った楽曲が多く収録されていますが、この曲はマイナーキーに合わせてあのクリーンギターの音色を始め、リフでは無くフレーズを大きくヒューチャーした乾いた世界観を主軸としているため、独特なカラーを感じることができる1曲だと思います。

 

更にこの曲はARIMATSUのドラムもポイントだと思っていて、プログラミングされたデジタルサウンドは電子ドラムのプログラミングが多いのですよ。無機質なデジタルサウンドにARIMATSUの情熱的な生ドラムが鳴り響くことによって見事なコンビネーションが起きているんですよね。スコアを観てないとわからない部分があるかもしれませんが、ここに注目するとラルクのゆっきー曲を聴いているような感覚にも陥ります。(そして次作以降はこれが顕著に行なわれるのですよね。)

 

タイトルは「過去」という意味。歌詞は過去に戻ってキミを救いたかったと後悔を滲ませる主人公が映ります。キミに一体なにがあったのかがこの歌詞に触れられないのでかなり考察できる部分がありますが、次の楽曲と繋がっていると考えてしまったら...、あまりにも悲しいです。

 

9.「PIANO DUST」(作詞:HYDE 作曲:K.A.Z)

 

鳴り響く雨音の中でタイトル通り、ピアノの音色を中心としたメロウなサウンドの上を美しいメロディラインが煌めく感動的なバラードナンバー。楽曲の静と動を理解して、動にあたるサビがきたタイミングで一斉にバンドサウンドの洪水が襲いかかるというパターンが激情的であり、それまでに強がっていた悲しみがどっさりとのし掛かるような感覚があります。前作の「SWEED DREAM」同様、この曲はベースが大活躍しており、高音域から低音域までをカバーし、更に今作では16分に渡る早弾きも入れることで悲しみをドラマチックに表現しているように感じるのです。

 

歌詞は一緒に弾いていたピアノに触れながら、死別してしまった恋人との思い出を回想するという内容となっております。特筆すべき点は「天国」というワードを直接登場させることによって、2人が離ればなれになってしまった理由を「死別」であると断言させている点。ここ、作詞方法を変更する前のHYDE様なら絶対にここをぼかして「死別」なのか「失恋」なのかと考察の余地を広げていたと思うんですよね。ストレートにちゃんと物語の輪郭を創り上げて聴かせる、作詞方法が変わったHYDE様のストレートなリリックが胸を打ちます。

 

10.「RUMBLE」(作詞:HYDE 作曲:K.A.Z)

 

ここで新機軸な楽曲が登場、現れたのはなんと陽気なチャールストンナンバーです。ピアノやホーンセッションを含めたバンドサウンドがジャジーなフレーズを披露する中で、注目して欲しいのは楽曲の軸を創っているリズム隊の華麗なる連携。ブイブイ言わすリフとウォーキングラインを混同させた気持ちよいフレーズを披露するベースを病みつきになるリズムパターンで支えるドラムの絡み合いが非常に藝術的なのですよね。これは、自然と身体が揺れ動いてしまいます。

 

タイトルの「RUMBLE」は「ゴロゴロ鳴る」という意味です。歌詞は吸血衝動に襲われて獲物に襲いかかるという吸血鬼視点のリリックとなっております。この擬音を使ったタイトルが正気を失っていく吸血鬼のことを暗示だとも思っており、タイトル含めて世界観が判るという部分がいいですね。この擬音を使ったリリック表現は次作以降にも登場します。

 

11.「GET UP」(作詞:HYDE 作曲:HYDE)

 

2泊3連のリズムとクイを使った耳に残りやすいリズムパターンを取り込んだエネルギッシュなロックナンバー。キャッチーなメロディラインと、メジャーキーで疾走感のあるバンドサウンドのみで構築された世界観となっており、ストレート性が強い楽曲展開となっており、非常に爽快な気分になる1曲です。HYDE様が生み出すロックナンバーが好きなら絶対にハマる1曲です。

 

全英詞の楽曲であり、タイトル通り、主人公に目覚めを促すという力強い応援ソングとなっています。。「行動しないのなら、蹴っ飛ばして放り出すぞ(バンドスコアの訳)」というフレーズが好きですね。

 

この曲はアニメ「バクマン。」の主題歌にも起用され、それに担い日本語詞に書き直されたバージョンが7thシングルのカップリング曲に収録されることとなります。

 

12.「SAMSARA」(作詞:HYDE 作曲:K.A.Z)

 

ここで次作に繋がる完全なるデジタルワールドが炸裂する1曲が登場。バンドサウンドの音は一切無く全て打ち込みで構成された世界観であり、実質インストに近いインダストリアルな1曲となっております。K.A.Zのデジタルな嗜好が全面的に出ている楽曲ですが、この嗜好が次作で大きくヒューチャーされ、この後に起きるVAMPS全体の路線変更の軸になるとはこの時、誰が予想していたのでしょうか。

 

13.「MY FIRST LAST」(作詞:HYDE 作曲:HYDE)

 

これは当時VAMPS応援していた人はきっと驚いたのではないでしょうか。なんとHYDE様の1stアルバム「ROENTGEN」を彷彿とさせるあの世界観が今、此処で繰り広げられているからです。あの世界観をVAMPSが演奏しているのです。前作のラストが同じ流れでバンド代表曲の一角でもある「SEX BLOOD ROCK'N'ROLL」だったこともあり、その流れに期待していたファンはこれまでのアルバムの流れから全く毛色の異なる楽曲が現れたことにおそらく困惑したであろう1曲ですが、HYDEファンにとってはもう聴けないであろうあの世界観をまた聴くことができたある種のサプライズ的な部分もあると思うんですよね。この世界観をVAMPSに求めているか否か変わってきますが。

 

マンドリンを軸として民族的なサウンド達が切り開いていく「SECRET LETTERS」を思い出させるイタリアンな世界観を軸に「OASIS」で観られたスパニッシュ要素や「THE CAPE OF STOAMS」を思い出させる表現などが登場。この曲をあまり知らない人はこの曲を聴きながらディズニーシーの「『ヴェネツィアン・ゴンドラ」に揺られながら『メディテレーニアンハーバー』の景色を眺めている景色」を連想してみて下さい。バンドスコアには各楽器ごとに詳しく譜面が採譜がされているのですが、かなり発見が多いのですよね。他の楽曲とは明らかに違う角度でスコアを読んでおりました。こうして読んでみると改めて今からでもいいので「ROENTGEN」のスコア、出して欲しいなと思うんですよね...!

 

歌詞は死んだ主人公の塊が宇宙へ向けて放たれるリリックとなっており、これらも「EVERGREEN」や「SHALLOW SLEEP」を思い出させる”死”に触れた内容です。放たれる最中に主人公は生涯で見落としていたものを眺めることになるのですが、最期の最期に思い浮かべたのは死ぬ間際に抱擁を交わした恋人であったという深い愛を感じさせるリリックです。

 

これは「RONTGEN」が好きな方なら確実にハマる1曲でありますし、「666」以降に好きになってそこからVAMPSを聴いてきて初めてこの曲に出逢ってハマってしまった方は是非とも「RONTGEN」を聴いて欲しいと感じる1曲でした。

 

 

いかがだったでしょうか。ロックからポップス、打ち込み、チャールストン、民族音楽まで集まったこの音楽性の幅広さ。2人の幅広い嗜好にしっかりと応えたリズム隊にも喝采ですよ。この路線が次回以降も続いていたのならば、正直このアルバムは影が薄くなってしまうのかなと感じてしまうのですが、序盤にも書いた様にこの後VAMPSは大きな路線変更を行なうことになるため、結果的に今作でしかできない今作特有の個性になったのは非常に大きいことだと思いました。それによってVAMPSのアルバムには4作ともそれぞれに個性的なカラーがあると断言できるのですよね。

 

再三述べてきたように、次作以降はVAMPSは大きな路線変更を施すことになります。果たしてVAMPSの音楽性にどのような変化が起きたのか、そのきっかけは一体何だったのか。次回、深化したVAMPSの全貌が明らかとなるアルバム「BLOODSUCKERS」のレビューを通してレビュー・分析をしていこうと思います。

 

今回もありがとうございました、次回もよろしくお願いいたします!!