日常風景

2006年06月13日

家に帰ったら、両親がサッカーを見ていた。
10時50分くらい。
にわかサッカーファンな2人。

月曜11時からは「あいのり」鑑賞。
これは何年も前から家の女3人の習慣になっていて、
この時間に帰れない時は、
言わないでも誰かが録画しておいてくれる。

世界を旅してうっかり恋までできちゃうのだ。
一時期ホントに行きたかった。

最近は父まであいのりを見るようになったので、
我が家では月曜11時になるとわらわらと皆が集まってきて、
ああでもない、こうでもないと
他人の恋愛に口出ししたり笑ったりしている。
昨日も11時になったらチャンネルはフジテレビにチェンジ。
サッカーよりもこっち。

これが我が家の、日常風景。

アイロンをかけるのは父の役目だ。
もうずーっと昔から。

「だってあなたが一番上手なんだものーー。」と母が父を持ち上げる。
父は休日、いそいそとアイロンをかける。

ゴミ出しも父がすることが多い。
「おねがーい、ゴミ出しといて☆」で、
父は「はいはい」、とゴミを出す。

最近よく、家族みんなで夕飯を食べる。
我が家は甘い物が大好きだ。
「アイスが食べたい！！」妹が言うと
父が「じゃぁ買ってくるよ」とハーゲンダッツを買いに行く。
待ってましたと言わんばかりに。
一番アイスを欲しているのは、実はこの人。
母はアズキかミルク、娘2人はその都度食べたいものをリクエスト。

これが我が家の、日常風景。

「お昼は冷やし中華にしようと思って。」と母が言う。
私は錦糸卵を焼かなきゃ、と思う。
タマゴを薄ーーく、丸く焼くのは私の役目。
家族の中で一番上手だという事になっている。
「それくらいは活躍の場を残しておいてあげないとね。」と母は笑う。
私はうまい事持ち上げられてる、と知りつつも
いそいそとタマゴを4つ割る。

食後にお茶を淹れるのも私の役目。
これも、私が淹れるお茶は美味しいという事になっている。
大抵は紅茶。時に日本茶。
脂っぽいものを食べた時はウーロン茶やジャスミン茶。
コーヒーは家では飲まない。
食事が終わると「今日は何飲む？」と聞いてお湯を沸かしに行く。

これが我が家の日常風景。

妹は朝必ずと言っていいほど機嫌が悪い。
家族の中で一番キツい。一番怖い。
皆は彼女の事をこっそり「怖い人」または「怖いヨギーニ」と呼んでいる。
今日怖い人は？　
なんであんなに怖いんだろうねー。
ホント怖いよねー。
みたいな？

私は裏でなんて言われてるんでしょ？
ぼーっとしてる人？
多分、そんなとこ。

雨が降っていた。
「駅まで送って。」母が父に言う。
「濡れたくないし、傘も開きたくないの！！」

私と妹は後ろでこっそり大笑い。
雨なんだから、濡れるしカサも開くよねー。
どんだけワガママよ！？

でもそれが普通に通るから、
父は2つの最寄駅のうちで
より濡れずに、カサを開かず済む方に母を送っていくから、
2人ともそれに何の疑問も持ってないから、それでいい。

きっと、当然って思ってるよね。
感謝とかしてないよね。
娘2人はこそこそ言いあう。

これが我が家の、日常風景。

時折、こんな普通の毎日が
とっても愛おしく思える。

昨日の朝、母がリビングでカーペンターズをかけていた。
「この曲を聞くとね、たまにすごーーーく昔の彼を思い出すの。」母が言う。
「あぁ、六本木で雪の日に別れた、背の高いイケメンね。」私が答える。
私達はかなり色々な話をするのだ。

若い頃の話を聞く限り、結構遊んでいたと思われる母は、
かなりの面食いだったと思われる母は、
5つも年下の父と数ケ月の付き合いで結婚を決めた。
父はその時24歳だった。

娘2人は、「ぶっちゃけ29で焦ってたんじゃないかねー。」
「うまい事、お姉さまに丸め込まれた系じゃないかねー。」
なんて裏でまたまたこっそり言っているけれど、

なんにしろ、それから30年近くすぎて、
背の高いイケメンはずーーーっと昔の彼になり、
かっこ良さとは無縁の父は、我が家の日常風景になっている。

何が良かったの？
うーーん、穏やかなところかしら・・・？

人の縁は不思議だ。
家族って繋がりは、限りなく不思議だ。
こんなにも素で、こんなにもどうしょもないとこを見たり見せたり、
ムカつくって思う事もいっぱいありつつも、
やっぱり家族は家族で、この先もやっぱり家族なんだろう。

当たり前の風景が、いつか当たり前では無くなる日が来る、
それをなんだかすごく感じる時があるから、
今はこの日々を、大切にしたい。

今日も長くなっちゃった・・・

ﾟ･:,｡ﾟ･:,｡★ﾟ･:,｡ﾟ･:,｡☆ﾟ･:,｡ﾟ･:,｡★ﾟ･:,｡ﾟ･:,｡☆

って、ほぼ8年前の私が書いてました。
多分、この数ヵ月後には実家出て一人暮らし始めたのかな。

なんだか懐かしくなって載せてみました。

あれから、日常風景は二転三転、
もっとかな？大きく変わり、
色んな事が有りつつ
それでもやはり家族は家族で根本のとこは全然変わらないな～。

実家に再び帰ってくることがあるとは思ってもみなかったけれど
こういう時間を再び過ごせるのは貴重だなってのもすごく感じます。

今日はこの後、施設にいる祖母の所に行く予定。
妹も合流するので全員集合。

祖母は数分前に話していた内容も忘れちゃいます。
なので、私が結婚してたことも覚えてないだろうし、
今日も何度となく聞かれるんだろうけど、
どう答えようね～～、ってのが目下悩みどころ。

すぐに忘れることが分かりきっているならば、
優しい嘘の方がいいのかな～、って思いつつ
何度も嘘繰り返すのって空しいわ

2014年に追記