先日アップロードされたウェビナー:ハーバード大学メリット教授によるプレゼンテーションと質疑応答のセッションからを見て得た情報を下記の通り箇条書き形式で共有させていただきます。お久しぶりです。
現在行われている遺伝子変異治療ですが、遺伝性・家族性だけではなく、それ以外(メリット教授は Singleton or Non-Geneticという表現を使用しましたが、遺伝性はFamilialもしくはGenetic に対して、通常、Sporadic(孤発性)という言葉が使われるので、Singletonは珍しい表現ですが、要は遺伝性以外の患者も対象の)の遺伝子治療の治験も始まっており、2025年には結果が出てくるといった素晴らしい状況です。
現在多くの研究者は病気の進行を遅延させるだけではなく、機能を取り戻す治療開発に注力しています。←これも素晴らしいですね。
現在4つの承認された治療薬があります。リルゾール、ラジカット、ロゼバラミン、クォルサディ(トフェルセン)。コメントですが、ここで感心すべきは彼らは日本で先般承認された(アメリカは未だ)エーザイ社のロゼバラミンを含めて話をしている点です。彼らは世界をみているということです。流石です。
今現在ALS新薬開発を進めている会社は300社以上に上ります。
下記は新薬開発の一覧です:
最近第二相段階の治験を終えたのは、IL-2 、Prime C 、CMN-Au8、 Pridopidine、NurOwnです。これらのうち、Prime C 、CMN-Au8、 Pridopidine、NurOwnの4つは第三相治験に進められることが判っています。
現在最終段階の治験中のものは Lenzumestrocel 、Calico、 DNL343、 SPG302があります。
(個々の説明があった治療薬もありますが、ここでは割愛します)
次に遺伝子変異の治療開発の状況について説明します。既に承認されたトフェルセンはSOD1向けですが、実はSOD1にも新たな治療開発候補に取り組んでいる会社が3社もあるのです。トフェルセンは毎月脊髄注射が必要で大変ですし、実際に効果がある人は40%から50%の患者で全SOD1患者ではないのです。ということから未だより良い治療方法が求められます。例えばUniqure 社のAAV10は一回の注射で治療させることを狙っています。
FUSやC9Orf72といった家族性の遺伝子治療開発も行われています。
QRL-201-01やVTX-002、AMX0114等は孤発性の遺伝子治療を狙っています。それらの治療開発も現在進んでおり有望です。
さて、大事なのは質疑応答の内容です。
私が以前書いたCoya302が一切プレゼン内容に含まれてないの一体どういうことか?と思ったのですが、期待通り質問した方がおりました。内容は「Coya302の開発状況は如何でしょうか、プラットフォーム治験での取り扱いはないのですか?」これに対して教授は「実は私は同社のアドバイザーを務めています。利益相反があるので多くのことを話すことは出来ない立場ですが、Coya302はプラットフォーム治験ではなく従来の方法で進んでいます。来年の第一四半期か第二四半期には第3相が始まります」と答えました。多くの人が参加でき、より短期で完了が見込めるプラットフォーム治験を切望する患者が多いはずの中、何故そうしないのか?の説明が聞けなかったのは残念でしたが、僕が思うにおそらくCoya302はアメリカだけではなく、欧州も含め国際的なスケールでの治験が行なわれるのだろうと思います。何はともあれ進んでいるようで安心しました。
メリット教授の話のポイントは以上でした。
要約すると、
「現在多くの治療開発が進んでいる。治験最終段階のプロジェクトも多くあり、新たな治療選択肢が出てくるだろう。遺伝子治療も遺伝性だけでなく孤発性を対象とした治療開発が進んでいる。進行抑制や進行停止だけを目的としたものから機能回復を目的とすることを狙う取り組みが主体になってきている。2025年は楽しみだ」ということを教授は伝えたかったのだと理解出来ます。
僕の期待する新薬候補は依然としてCoya302と機能回復を狙っているSPG302です。
当方発症してから5年経ちました。最初の4年はまだまだ出来ることも多く、海外含め行動範囲も広く一人で行動出来てましたが、この一年は出来ないことが一気に増えて生活が変わりました。仕事も最近やっと退任しました。少しゆっくりできるのですが、頭は依然フル回転していてギャップがあるのが大変かもしれません。また時折今度はフリースタイルでも書いてみたいと思います。
以上です、
目を通したウエブ記事動画リンク、及び関連する過去の記事:
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