夕方ウェブ検索をしていたら”Takeda acquires license to ALS therapy aimed at toxic TDP-43”のタイトル記事が目に入り、「えっ武田薬品が?」となり、即日本語検索をしたら日経の記事(一昨日)を見つけました(不思議なことに武田薬品のホームページには未だ本件のプレスリリースは掲載されていません)。

 

 

以下が日経新聞の記事内容抜粋です:

 

武田薬品工業が米バイオ企業のアキュラステムから、全身の筋肉が衰えるALS(筋萎縮性側索硬化症)などの治療薬候補を取得するライセンス契約を結んだことが3日わかった。取得費用は開発と販売の進捗に応じて最大約5億8000万ドル(約870億円)。武田薬品は売り上げに対するロイヤルティーも支払う。

 

アキュラステムは核酸医薬の技術を使い、ALSや前頭側頭型認知症の治療薬を開発している。武田薬品はALSの治療薬候補「AS-202」などを世界で開発・商品化するライセンス契約を結んだ。

 

ALSの患者の約9割は血縁者に患者がいない孤発性で、根本的な治療法は確立されていない。武田薬品は「当社は多様な神経精神疾患のポートフォリオを構築しており、このライセンス契約によりパイプライン(新薬候補)を補完できる。ALS患者のアンメットニーズ(まだ満たされていない患者ニーズ)を満たす可能性がある」とコメントした。」

 

武田薬品は世界では11位、日本勢では抜きん出てトップです。こちらグローバルランキング:

出所:https://answers.ten-navi.com/pharmanews/25612/

 

 

本来であれば、ラジカットを収益の柱としている田辺三菱がラジカットで稼いだ利益で、画期的なALS治療薬の研究開発をしているのが理想ですが、残念ながら田辺三菱はまったく新規のALS治療薬の開発をしていません。短期の収益しか見てない残念な会社です。

 

対し、武田薬品工業株式会社の今回の動きは素晴らしいです。

 

今回武田薬品さんが、米バイオベンチャー、アキュラステムが開発中のALSの治療薬候補「AS-202」のライセンス契約を行ったということは、投資を決めたということです。メジャーな製薬会社のあるべき姿ですが、ALS薬品新薬の開発投資は通常リスクが高くなかなか日本の製薬会社が手が出せる案件ではないはずです。しかも今は円安です。私が思うに武田薬品さんはAS-202に対して確度の高い自信をもっていると察します。

 

未だ情報がないので何とも言えませんが、今後の展開を想像するにどんなに早くても治験を2フェーズは進めなければいけいないと想定します。その上で迅速承認となったとしてもそれまでに今から5年はかかるのでは、と考えます。EAP枠のアクセスは通常第2相をパスした候補薬品です。治験参加の機会もでてくるとは思いますが、通常治験参加資格は発症から2年の患者です。正直5年後わたしが生きてるかどうかの自信はないですが、本当に効くとあれば、コロナワクチンの様な展開もあり得るかもしれません。今後いろいろ情報がでてくると思います。他方、「核酸医薬の技術」?となると東京医科歯科大学の横田教授も関わっているのでしょうか?不明ですが、時間が許せば今度調べてみたいとおもいます。

 

 

以上です、

 

 

 

目を通した記事:

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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