もう

言葉として

私は

確かなものを

受け取ることは

できなくなった


彼は

もう言葉で

あらわすことをしないだろう

できないんだろう


それをわかっているのに

私は

何かカタチがほしくて

しかたがなかったんだ


彼を信じていれば

そんなもの

いらないはずなのに


私は

きっと

ご褒美がほしかった



求めれば

どこまでも

求めることは続く


私との時間をつくっている

そのことが

こたえであるというのに

私は

それだけで前に進める力は

まだ身に付けていなかった


ほんの少しだけれど

彼の心を苦しくさせた

そのことを

反省した


彼はもう

そのことに

触れることはできないんだ


私が

強さを身に付けて

それを越える必要があるんだ



わかんない


と答える彼の横顔が

とても悲しかった


ごめんね



私は

こうやって

ふたりが

気持ちを落ち着けて

時間を過ごせたことに

感謝したい



彼の

優しい笑い声を

聞けたことに

感謝したい


もう一度

私を抱きしめてくれたことに

感謝したい



私の名前を呼んでくれたことに

感謝したい



私のために

会いに来てくれたことに

感謝したい




私は

誰かを傷つけた分

涙を流さなくてはいけないし

強さを身に付けなくてはいけない


私がしてきたことが

ただ

私にもどってきているだけで


私はそれだけのことを

してきたと

理解し


奥様と子どもに

あたえなくてはいけなかった愛情を

私が受け取ってしまったその分だけ

ひとりで涙を流さなくてはいけない


もらった愛情だけ

私は

一人でがんばらなくてはいけない



あのとき

私を救ってくれた

あの人の愛情を

あの人への感謝を

私は

強さに変えて


がんばります