毎月、事務所でビジネスモデルの勉強会を開催しています。

勉強会では、毎回、参加メンバーが2チームに分かれて、各チームで成功している会社のビジネスモデルを研究して発表しています。

本当は発表までは秘密なのですが、今回いろいろ調べてみて、面白かったので、みなさんには一足先に内容を発表しちゃいます(笑)。


今回、我々のチームは無印良品を展開する株式会社良品計画について発表します。

良品計画は、製造と小売を行うSPA(製造小売業)です。

SPAとしては、ユニクロやニトリなどが有名ですが、衣料や、食料、住宅雑貨関係のいずれかに特化しているケースが多く、衣食住のすべてを展開している良品計画はとても珍しい企業です。

最近、松井会長の本が出版されて、テレビ等でも話題になってますよね。


良品計画は、もともとスーパーの西友のPB(プライベートブランド)からスタートしています。

独立後10年くらいまでは順調に業績を伸ばしていくのですが、その後、2000年ぐらいに業績が急激に悪化します。このとき、再建したのが、松井会長です。業務の見える化を図るために”MUJI GRAM”というマニュアルを作ることにより、それまでの経験主義から脱却し、均質化や人材育成を効率良く行うようにしました。もちろん、業績が回復したのは、”MUJI GRAM”のおかげだけではありませんが・・・。


”MUJI GRAM”には、ディスプレイの方法や商品の配置等、業務に関するいろいろなことが写真や図で分かりやすく記載されているそうです(一部をネットやテレビ等で見ただけで、本物を見たことはないので、全部がそうなっているのかどうかは分かりません)。


マニュアル化というと、なんだか固いイメージがして、組織として硬直化しちゃいそうですが、個人の能力や経験に依存することなく、会社全体として効率よく安定した質のサービスを提供するためには重要ということですね。無印良品のように、店舗数が多くアルバイトの店員も多い場合には、特に有効なのかもしれませんが、特許事務所のように小規模な組織でも、安定して均質なサービスを提供するという意味ではとても参考になります。


そして、なんと言っても、良品計画が成功しているのは、”無印良品”というブランドイメージ

天然素材にこだわり、本質的な機能を追及する、シンプルな商品イメージは、特に若い女性を中心に広く支持されているようです。

良品計画は、そのために、色調もシンプルでナチュラルな配色とし、商品と店舗との整合性も考慮しています。また、商品開発の際にも、機能を徹底的に高めることを目指しています。

その一方で、”わけあって、安い”というキャッチフレーズのとおり、品質の高いものを相対的に安く(安売りではありません)提供するために、包装の簡略化などによって無駄を省いています。


なんだか良品計画の宣伝みたいになってきましたが、商品コンセプトによって、他と差別化し、安売り競争に巻き込まれないようにする、という良品計画のビジネスモデルは、商品コンセプトやブランドイメージがいかに重要かということを示しているのではないでしょうか。


ちなみに、最後に知的財産に関するお話を少し。


今日(2013/10/3)現在で、良品計画が有する特許権、意匠権、商標権の数をIPDL(特許電子図書館)で調べると、

特許権:5件

意匠権:168件

商標権:209件

です。

良品計画が製造小売業であることを考えると、商品開発に伴う特許権の数がかなり少ないと思います。

(出願自体も、公開されている件数だけで、16件しかありません)

それに対し、意匠権、商標権の数が多く、良品計画がいかに商品イメージ(外観)及びブランドを重要視しているかが分かります。


特許発明によって差別化するのではなく、コンセプトやブランドで差別化を図る。

良品計画も知的財産を利用してビジネスをうまく展開している会社の一つです。