花火 空に描かれる炎の細工を か細い息遣いで一生懸命に見詰めながら 漏らすように小さな息を吐く。 空を眺めるその姿は 夏の夜に溶けゆく美そのもののようで、 何かひとつの奇跡に立ち会っているような感覚がした。 時折おれに向いて 取り囲む雑音の中にかすかな感嘆の言葉を残す。 彼女がそこにいることが いまでも信じられない。