趣味のインプラントは駄目ですよ | <秘伝> 歯科医院 開業の仕方と、開業してから

<秘伝> 歯科医院 開業の仕方と、開業してから

これから歯科医院を開業する先生、開業して間もない先生に贈る、私なりの医院繁栄のポイントとアイデア集です。
「この業界は不景気だから・・・。」と嘆く前に、やってみましょう~!

まず、下記のニュースをお読みください。ダウン

歯科院長を在宅起訴=インプラント手術で女性死亡―東京地検

時事通信 10月5日(水)20時1分配信

 東京都中央区の歯科医院で2007年、インプラント手術を受けた女性が死亡した事故で、東京地検は5日、業務上過失致死罪で、執刀した男性院長(67)を在宅起訴したと発表した。処分は3日付。
 起訴状によると、院長は07年5月22日、会社役員の女性=当時(70)=にインプラント手術をした際、誤ってドリルであごの骨を貫通。付近の動脈を傷つけ出血させた結果、たまった血で窒息死させたとされる。 

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この記事を読んで、「また事故が起きてしまったのか しょぼん ・・・。」というのが正直な感想であります。インプラントの評判はどんどん悪くなってしまいます。


これまでで、インプラント手術でお亡くなるになられた方は、国内で17~18人位かと思います


インプラントで死亡するケースのほとんどは、下歯槽管を貫くか舌側に穿通するかのいずれかの場合が多いと思いますが、その他にもイレギュラーな動脈の走行も有りますので術前のCTによる精査は必須ですパソコン


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また、万が一大量出血による窒息がおきても緊急で患者さんを救う為の器具(気管切開用具トラヘルパー等)、とそれを使いこなすスキルが無くてはインプラントに手を出しては駄目です。注意


当院では、鶴見大関連病院の口腔外科科長の先生と必ず一緒にインプラントの処置は行って居ます

この先生は、元々癌の術後の再建外科が専門ですが、インプラントや補綴にも大変詳しくまた手技的にも大変ハイレベルかつ正確な処置をします。

もちろん、緊急時対応等の全身管理もできます。注射



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また、術者だけが優秀ではいけませんので、介助者や歯科衛生士もある程度のスキルが必要ですし、器具としても酸素・救急薬品と輸液セット・トラヘルパー・AED・生体モニター等の必要なものは当然揃えてあります。



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インプラントは、通常病気では無い健康な歯肉にメスを入れ、骨を削りチタンという異物を体内に埋入するという特殊な医療行為であり、かつ高額な対価を患者さんに求める訳ですから、相当な気合いと万全の準備が必要だという事を是非忘れないで下さい。


メーカー主宰のインプラントセミナーは「簡単でシステム化されており、説明書通りにやればOKですよ~!」と、ウソばっか言いますそんな簡単な症例は100人に1人です。ガーン


前出の口腔外科科長の先生も、以前は某大手インプラントメーカーの講師をしておりましたが、ウソをつくのが嫌で今は一切やって居ません。



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私は、矯正もそうですが特に後戻りのできないインプラントは、特に慎重に導入すべきだと思います。器具を買ってメーカーのセミナーに行ってスタートするのは危険であり、絶対にペイ出来ません。赤字になります


インプラント治療を行っている歯科医院で黒字は約20%で残りは赤字です。赤字は駄目です

事業をしている以上、黒字で無いと駄目なのです。赤字とはイコール趣味という事になります。趣味のインプラントは許されません。


例えば、ゴルフのプロは黒字で無ければ駄目なのです。趣味のゴルフは当然赤字でいいんです。趣味ですから・・・。ゴルフ


院長が、一般歯科・小児歯科・矯正・インプラント・口腔外科全て完璧に出来れば最高ですが、その様な先生は皆無でありましょうし、もしそのような先生が存在した場合、寝る時間も無い程患者さんを診なくてはいけなくなります。叫び ひょえ~!


院長=経営者は、いかに全部門でハイレベルの治療品質を維持しながら、黒字化するかのシステムづくりを考えるのが本来の役割なのですビックリマーク


以上、「趣味のインプラントは駄目ですよ」のお話でした。 φ(.. )