■おじいちゃんの恋愛

『落花流水』という言葉があります。
作家でもあり、和尚さんでもある玄侑宗久さんは、
この言葉をこう解説しています。


『流れる水面にハラハラと花びらが落ちる。
　花はどこに落ちようか、と思っているわけじゃない。
　水は花びらをどこに運ぼうかと思って
　流れているわけじゃない。
　たまたまその出会いがあって、
　美しい情景が生まれている』


先日、たまたま見ていたＴＶ番組で、
あるおじいちゃんが
妻であるおばあちゃんの存在について


『おばあちゃんを今でも
　好きですか？』


とたずねられていたのです。
おじいちゃんはなんと答えたと思いますか？
その言葉を聞いてドキっとしました。


『神様から自分に与えられたもの
　じゃと思っとる。

　だから、
　好きとか愛してるを超越しとると言うんかね････』



･････神様から与えられた。


おじいちゃんの世代の結婚は、恋愛結婚の時代ではなくて
文字通り『与えられた』結婚だったかもしれない。
でも、その後におじいちゃんが発した

『超越しとる』って･･･


形から入った結婚。
でも、おじいちゃんは確かにおばあちゃんとふたりで、
その境遇を受け入れて歩んでいる。


出会いの成り行きに身を任せた、落花流水。



お互いに『こうしたい』『ああしたい』ではなく、
出会いの成り行きに身を任せる。
そのときに、そこに
『美しい情景』が生まれるのかもしれないですね。


おじいちゃんの、人生を受けとめた生き方が
とても美しいと思えました。
老いてなお、あんなに生き生きしてるおじいちゃん、
魅力的でした。






流れてくるもの、それは神様が与えてくれたもの。
だから、いつでもありがとうなんですね。


皆さん、良い休日を・・・